- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県伊万里市
- 広報紙名 : 広報伊万里 令和7年8月号
■遺跡余話『旧石器時代の替刃式石器』
7月号に続き、松浦町桃川にある大光寺遺跡から出土した石器を紹介します。
写真右の石器は、約2万5千年前の黒曜石製のナイフ形石器です。左側が刃の部分で、右側は刃を打ち欠いて潰し、包丁のように峰をつくっています。短い柄をつけてナイフのように、また、長い柄をつけて槍のように使われていたと考えられます。
写真中央と左の石器は、約1万4千年前の『細石刃』と呼ばれるものです。細長い両側が鋭い刃になっていて、軸にはめ込んで使用されていたと考えられます。軸にはめ込む際の接着剤には、動物の皮や骨などを煮て作った膠にかわが使われたと考えられています。
ナイフ形石器は、完成するまでに時間がかかり、折れると使えなくなります。一方、細石刃は、刃の部分だけをつくるため、短時間で大量につくることが可能で、さらに、刃が欠けても、欠けた部分だけを取り替えることができる『替刃式』の便利な石器として、旧石器時代に活用されていました。
※写真は、本紙をご覧ください。
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