- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県みやき町
- 広報紙名 : 広報みやき 2025年11月号
町民の皆様におかれましては、日頃より町政にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
この度、9月26日の総務大臣発表により、みやき町がふるさと納税制度における指定を取り消されることが決定いたしました。このような事態を招き、町民の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしますことを、心より深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
以下に、今回の経緯と原因、そして今後の見通しについて、ご報告いたします。
1.指定取り消しの経緯と原因
今回の指定取り消しは、令和5年10月から令和6年9月の期間において、ふるさと納税に係る経費が寄附額の5割を超える59.79%となったことが理由です。
一方で、年度単位(4月~3月)の経費率は、令和5年度49.9%、令和6年度(見込み)49.74%と、いずれも5割以内に収まっております。今回問題となったのは、年度をまたぐ特定の期間で基準を超過したことでした。
その主な原因は、以下の2点です。
(1)制度変更に伴う寄附の集中と経費計上の時期のズレ
令和5年10月の制度変更直前である9月に、駆け込みでのふるさと納税が約5億円と大幅に増加しました。経費の計算ルール上、9月分の寄附額は今回の対象期間に含まれません。しかし、その返礼品等の経費は10月以降に発生したため、対象期間の経費として計上され、結果的に経費率を著しく押し上げる形となりました。(このズレを是正した、総務省が認めるもう1種類の計算方法では53.72%でした)
(2)物価高騰などの外的要因
物価高騰や全国的な米不足により返礼品の調達コストが上昇しました。特に、経費効率が比較的悪い小口の寄附にふるさと納税が集中したことも、経費率を悪化させた一因です。
経費効率の悪い返礼品の見直しや、寄附単価を引き上げるなどの対策を講じ、経費5割以内という基準の達成に全力を尽くしてまいりましたが、初期に悪化した経費率を期間内に回復するには至りませんでした。
2.今後の財政への影響と対策
今回の指定取り消しにより、財政への影響は避けられません。しかし、町民の皆様の暮らしを守るため、万全の対策を講じてまいります。
○令和7年度の財政について
令和7年度の予算に充当するふるさと納税は、令和6年度までにいただいたものを活用しております。これにより、令和7年度の財政運営に大きな支障はございません。
○令和8年度以降の見通しについて
令和8年度以降については、指定取り消し前の期間(令和7年4月~9月29日)に、全国の皆様から約24億円もの温かいふるさと納税を頂いております。心より感謝申し上げます。これに加え、これまで積み立ててきた「ふるさと寄附金基金(貯金)」を計画的に活用することで対応します。
この基金は約54億円あり、これを財源とすることで、学校給食費の無償化をはじめとする重要な行政サービスは、これまで通り維持できる見通しです。
3.未来に向けた決意と皆様へのお約束
ふるさと納税に大きく依存しなければ予算が組めない現在の財政構造自体が課題であると、私はかねてより考えてまいりました。これを機に、私の公約でもある「ふるさと納税に過度に依存しない持続可能な財政運営」の実現に向け、行財政改革を一層強力に推し進めてまいります。
一、皆様の生活は、必ず守ります。
一、今回の事態を深く反省し、今後同じことがないようにします。
この度は、町民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
みやき町長 岡 毅
