くらし 議会だより(3)

■帯状疱疹ワクチンへの助成について 山下淳也
▽議員
今年4月1日より、帯状疱疹ワクチンが定期接種となり、接種費用の一部が公費で助成される。
しかし、接種対象年齢が65歳の人、65歳を超える人については5年間の経過措置として、5歳年齢ごととなっており、発症リスクが高いとされる50歳から64歳の人に対しての助成がない。
そこで、50歳から64歳の現役世代に対して、町独自での助成を行ってはと思うが、町としての考えは。
▽町長
帯状疱疹は加齢などによる免疫機能の低下が発症の原因ということで、50代から発症率が高くなり、70代、80代にピークを迎えるとデータに示されているが、過労やストレスが引き金となり、若い人にも発症することもある。専門家の意見では、ワクチン接種を70歳とすると遅く、ワクチン有効性の持続期間を考慮すると、早過ぎても不適切であり、科学的知見から、罹患や発症等の疾病負荷が70歳頃に増加することや、ワクチンの有効性の持続期間等を考慮すると、対象年齢については70歳頃に十分なワクチン効果が発揮できるようタイミングを図る必要があるということから、65歳以上という年齢が設定をされている。国の定期接種対象者には、4月以降、準備が出来次第、定期接種の案内、予診票を発送する。
ただし、65歳以上といいながらも、既に65歳を超えている人については、経過措置として5歳年齢ごと、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上が対象となる。
このようなことから、町では国の方針、知見を尊重し、65歳を超えた66歳以上の人を対象に、経過措置の年齢を待たずに接種できるよう独自のワクチン接種補助制度を創設し、4月から助成をしたい。
ただ、帯状疱疹ワクチンは2種類あり、国の制度を利用する場合は、いずれも個人負担は3割だが、町の制度を利用される場合は、66歳以上なら国が設定する年齢を待たなくて済み、発症予防、重症化予防に有効であるが、助成額としては、「生ワクチン」が接種回数1回で、助成額は5千円、有効性持続期間が大体5年から7年となっている。「組換えワクチン」は接種回数が2回必要で、助成額は1回1万円の2回となり、有効性持続期間は大体10年と言われている。
接種費用の助成制度は、国、町、どちらかのワクチンで生涯一度限りとなり、効果が切れて、後で再度接種するには助成金はないということになるので、ご承知いただきたい。

■公営住宅ついて
▽議員
町内の公営住宅は5か所あり、古いところで築60年以上、新しいところで築40年以上が経過しており、老朽化が進んでいる。公営住宅の必要性、重要性は今なお大きいものがある。しかし、これまでの公営住宅の役割や目的が現代においてのニーズや社会状況と乖離しているように思われる。
(1)現在の空室の状況と入居希望状況は。
(2)入居条件はどのようになっているか。
(3)今後、建て替え、改築を含めどのように考えているのか。
▽農林建設課長
(1)現在、杉谷団地、千場団地、泉団地については、老朽化が進んでいるなどの理由から、政策空家対策をとっており、原則入居募集の対象としていない。
京ノ尾及び浦川内団地については、年1~2回入居募集の広報や、空室がある場合は、随時入居受付対応も行っている。空室は、京ノ尾団地が16戸、浦川内団地が1戸。
令和6年度の入居に関する相談は8件、その内入居手続きを行ったのが4世帯となっている。
(2)原則、単身世帯ではないこと、住宅困窮者であること、税金等の滞納がないこと、連帯保証人があることなどとなっている。
(3)平成29年2月に大町町公営住宅等長寿命化計画を策定し、平成29年度から令和8年度までの10年間を計画期間とし、公営住宅の長寿命化や計画的な改善などの事業に取り組んでいる。
杉谷団地については、建替えを行えるよう、今年度「大町町公営住宅等長寿命化計画」を見直した。併せて杉谷団地(12棟~17棟)の建替えを計画するため、「大町町杉谷団地建替基本計画」を策定することにしている。

■大谷口展望所の現状及び大谷口にある高田の八重桜付近の管理について 藤瀬都子
▽議員
大町ふるさと館前の国道34号線に陸橋がかかっている。その陸橋の東と西にある標識に「鬼ノ鼻山」「大谷口展望所」「大町町公民館」と表示されており、大谷口展望所に興味があって現地に出かけた。眺めはいいが、周りの管理状況が悪く、期待外れだった。現地には掲示板や鉄棒もあり、掲示板の地図には「大谷口展望所」と表示されている。そして、「聖岳山頂の展望台とはまた違った景色が楽しめます。サクラやツツジ、藤棚など花木があり、散策途中の休憩所としても最適です。」と記されているが、表現とはかけ離れている。時折、車が止まって眼下を眺めている人もあり、この場所一帯を年に数回手入れをし、ベンチを置いてミニ公園のようになればと思うが、検討を。
次に、大谷口に高田の八重桜という桜があるが、以前「広報おおまち」の表紙にも掲載された桜で、この桜の木の周りは草刈りができているが、行政で実施されているのか。
もし行政でなければ、対応すべきではないか。
▽農林建設課長
大谷口展望所については、道路管理の一環として、年に1度、町道側へ繁茂している草や雑木を伐採し、側溝にたまっている土砂や枯れ葉の撤去を行っている。また、台風や大雨後の道路パトロールや通報により、倒木などで通行に支障を来す場合は、緊急的に撤去作業を行っているが、大谷口展望所周辺の町有の山林については、現在のところ、草や雑木の伐採等は行っていない。
現時点で大谷口展望所の大規模な再整備というのは予定していないが、基本的な維持管理を重点に置きながら、環境整備を行うことで理解をお願いする。
また、高田の八重桜一帯の一角は町有地となっているが、これは佐賀県によるふるさと農道緊急整備事業による道路用地の買収の際に残った残地を、地権者の要望もあり町が取得した。八重桜は、以前、居住されていた人が植えられたものと思われ、近隣の住民の自主的な草払い等により管理されているように聞いている。こういった経緯から、町有地ではあるが、さらに財源を使用して公園等を増やし、管理していくことは難しいと考える。