くらし 議会だより(2)

~一般質問~
編集:大町町議会

■ふるさと応援寄附金の減額に伴う影響とその対策について 三谷英史
▽議員
(1)ふるさと応援寄附金が当初予算8億円から大幅に減額しているが、現時点での見込額は。
(2)減額した原因をどのように分析しているか。
(3)ふるさと館において、ふるさと応援寄附金返礼品の選定に資するためのアンテナショップとして運営されてきたが、その事業効果をどのように受け止めているか。
(4)ふるさと応援寄附金の委託業者を大幅な減額となった中で再任させる理由は。
(5)ふるさと応援寄附金を財源としている事業は何か。その事業への影響及び今後の対応について。
▽町長
本事業については、令和6年度の業者選定の結果、新しい委託業者に変わった。ところが、前業者と新業者の引継ぎが行われる前の昨年3月、前業者がふるさと応援寄附金事業に係る大変重要な蓄積データを故意に損壊し、適切な事務引継ぎができなかったことは、既に議会には説明している。このデータ損壊による影響について、詳細、原因の究明については専門家にお願いをしており、1年ほどかかると、既に申し上げていた。このようなことから、現在、公にお答えをする情報は持ち合わせていない。議会には、情報を得次第、報告する。
大町町を応援いただいた皆様、町民の皆様には大変心配をおかけし、大変申し訳なく、心からおわびを申し上げ、その上で、お答えする。
(1)現時点で、全国から1835件、1億3000万円を超える寄附をいただいている。データ消去により、インターネット上で、大町の閲覧に支障がある中、応援いただき感謝申し上げる。
(2)予算を減額したことについては、職員の使命感から思い入れが強く、目標を高く設定していたので、昨年12月議会で、通年ベースに近い予算額4億円に補正した。寄附金への影響については、前業者がポータルサイト等に関するデータを故意に損壊したことによるインターネット上の閲覧環境への影響と、能登半島地震、大雨をはじめ全国各地で大規模な自然災害が発生をし、被災地の支援に注目が集まったこと。加えて、総務省の基準が見直されたことは、特産品の少ない小さな町にとっては厳しい状況になっていると考えている。
(3)ふるさと館は、管理条例にも定めている通り、「にぎわいと交流の拠点の創出、そして、県内及び町内特産品等の展示販売を行い、農業、商業の活性化に寄与する施設」となっており、しっかりと役割を果たしていると思っている。また、大町町のソウルフード、炭坑ゆかりのたろめんや定食などを提供する食堂経営、町が進めているワインプロジェクトの紹介、ふるさと納税等を町内外へPRするためのアンテナショップを兼ねた返礼品の直売など、以前と違ったコンセプトで運営をされている。
皆さんからいただいた意見もできるだけ反映し、その都度、ふるさと納税、町のPR情報などのカタログ、SNSでも情報発信をするなど、少しでも増収につながるよう努力をしている。
新年度は、さらに事業効果を高めるために大町町の観光振興、地域活性化を目的に、全国的に知名度がある人気アニメ「ゾンビランドサガ」を活用したアニメツーリズムによるにぎわいの創出や、観光資源として六角川を活用し、カヤック、川遊び、自然観察を楽しむエコツーリズム推進事業を展開するなど、町の認知度やイメージアップのための予算計上、そのほか県内外から大町町を訪れていただく事業を計画しており、ふるさと納税の寄附に結びつくよう努めたい。
(4)令和6年度のふるさと納税一括管理業務は、最長3年間まで契約の更新ができることになっている。これは、業務の性質上、単年度契約では事業者自体の経営的事業、運営的な安定性に欠け、実力を発揮することができず、町としても新たな事業、活発な展開が難しく、安定したふるさと応援寄附金事業は望めないと判断したもの。特に、今年度は貴重なデータ損壊という予期せぬ事態が発生し、新しい事業者には削除されたデータ復旧に迅速に対応してもらったこと、また、ふるさと納税返礼品の地場産業が少ない本町で地元資源を発掘し、町内返礼品事業者を前年度17社から21社へ増加させ、地元経済の活性化を促進したこと、ふるさと納税業務を滞りなく誠実に遂行し、ふるさと館運営にも新たな視点、民意なども取り入れて、SNS等を使ったPRや、イベントを開催するなど、所期の目的を十分に達成したことなどを事業実績として評価し、継続は問題ないと判断した。
昨年の前業者によるデータ損壊による寄附金への影響は、現業者には何の落ち度も責任もなく、継続のための評価は、今申し上げたとおり。
(5)ふるさと応援寄附金を財源として、本年度は54事業に活用をさせてもらった。主なものは、赤ちゃんの出生祝金や子どもたちの給食費無償化補助金、高齢者への敬老祝金や納涼まつり花火の打ち上げ、世代間交流のための地域の絆づくり事業など多種多様で、さらに、新年度は新たな事業も提案させていただいている。
私が施策として取り組んでいる事業の財源は、将来の寄附金を見込んでの皮算用ではなく、これまでに応援いただいた寄附金や積み上げた基金の浄財を使わせていただいており、将来的な財源を確保した上で、継続すべきは継続する事業の推進を考えているので、町民の皆様が不安な思いをされないよう御配慮いただきたい。