健康 市民病院だより

◆おしっこは出ていますか? 〜「しも」の話〜
市立大村市民病院 泌尿器科 安田 拓司先生

このコラムで小難しいことを話すつもりはありませんので、気楽に読み流してください。
まず初めに、皆さんは泌尿器科と聞いて最初に何を思いつきますか?
「しも」の科?または、おしっこ問題?性病?男性器?
広辞苑を参考にすると、泌尿器科は、尿分泌と排せつをつかさどる器官である腎臓・尿管・膀胱・尿道と男子生殖器の疾患を取り扱う診療科となります。
この半分に該当する「しも」は、広辞苑で、身体の腰部より下の部分で特に陰部を指すこともあり、転じて「糞」とあります。
実際は、臓器でいうと腎臓・尿管・膀胱・尿道や男子生殖器だけでなく、副腎や副甲状腺、ときには末梢動静脈まで扱います。さらに良・悪性疾患、内分泌器官の側面や男女問わず小児から高齢者まで診療することになります。
患者さんの中で排尿に関する疾患が多く見られます。そこで皆さんにお尋ねします。おしっこはちゃんと出ていますか?
「ちょっとしか出ない」とか「たくさん出過ぎる」といった訴えを聞くと、いくつか疑問が浮かびます。1回当たりまたは1日当たりの量はどれくらい出ているのか。また、排尿にかかる時間や排尿間隔など、同じ症状でも原因はさまざまで、ときには真逆の状態で同じ症状が出ることもあります。この点は注意が必要で、検査をして状態を確認すれば解決方法が見つかるかもしれませんが、検査をしないとどういう状況にあるのか分かりません。
ちょっとした症状だけであっても、長期間続く症状の場合は解決できない状態になってしまうことも見受けられます。痛みなど日常に影響を及ぼす症状がなくても、気になったときはまず、お近くの医療機関を受診してみましょう。