- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県大村市
- 広報紙名 : 広報おおむら 2025年12月号(No.1556)
◆痔核(じかく)について
市立大村市民病院 外科 古閑 悠輝先生
痔核は、肛門やその周囲の血管がうっ血して腫れた状態で、一般には「いぼ痔」と呼ばれます。痔核は痔疾患の半数を占めます(その他、痔瘻(じろう)(あなじ)、裂肛(れっこう)(きれじ)などがあります)。日本人の3人に1人は一生のうちに痔で悩むといわれるほど、極めてありふれた病気です。年齢や性別を問わず発症しますが、45〜65歳に多いといわれています。また、便秘や妊娠・出産、長時間の座位、重いものを持つ仕事など、肛門に負担がかかる状況で起こりやすくなります。
痔核には、肛門の内側にできる「内痔核」と、外側にできる「外痔核」があります。内痔核は初期では痛みが少なく、排便時の出血で気づかれることが多いです。進行すると肛門外に脱出して、違和感やかゆみの原因になります。一方、外痔核は皮膚側にできるため痛みが強く、急に腫れてくることもあります。
治療は、まず生活習慣の改善が基本です。便秘や下痢を避けるために、食物繊維や水分を十分にとり、規則正しい排便習慣を心がけます。アルコールの過剰摂取にも注意が必要です。また、体を冷やさないこと、長時間の座位やいきみを避け、肛門部を清潔に保つことも重要です。腫れ・痛み・出血は、軟膏や坐薬、内服薬などの薬物療法で改善が見込める場合があります。脱出がある、症状が強い、薬でも改善しない場合には、手術適応になります。手術には、「結紮(けっさつ)切除術」「ゴム輪結紮法」などにより痔核を切除したり、ゴム輪で血流を遮断する方法があります。また、血流をコントロールして腫れを小さくする「硬化療法」による局所注射での治療なども普及してきました。
痔は恥ずかしさから受診が遅れがちですが、早期に診断・治療すれば日常生活への支障を減らせます。肛門出血は大腸ポリープやがんが原因の場合もあるため自己判断せず、気になる症状があれば病院を受診することが大切です。痔核は生活習慣の工夫で予防も改善も可能な病気です。放置せず、気軽に医療機関に相談しましょう。
