- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年12月号
■嫁とり祭り
稗方地区で毎年12月の第3(日)に行われる民俗行事で、江戸時代の終わり頃に始まったとされています。時代が合いませんが、「菅原道真公(すがわらのみちざね)がこの地に立ち寄った際、一杯のお茶を求めて飲んだところ酒であった。たまたま近くで結婚式が行われていたので、気分を良くした道真公は、これを三三九度の杯に、と言った」ことに起因するという言い伝えもあります。
村社である稗方菅原神社で五穀豊穣や縁結びなどを祈願し、翌年の座元をくじ引きで決めたのちに、氏子の座元宅に場所が移されます。座元の家では庭にネコボク(わらで編んだ敷物)を敷いて周囲に幕をめぐらせた式場をつくり、仮の結婚式の盃事の作法を行います。
神職によるお祓いと祝詞奏上の後、座組の中から選ばれた新郎役と新婦役が稚児のお酌取りで三三九度の盃を交わして仮の夫婦となり、媒酌人の「あ~めでたやの~」の音頭で、参加者全員に振る舞われる甘酒で乾杯し、玉串が捧げられます。
最後に神職が「この婚礼は、あくまでもこのネコボクの上のことだけ」と告げ、大きな笑い声に包まれて終わります。仮の結婚式を行う民俗行事の中でも、人と人で行われるものは全国的にも珍しいものです。
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