文化 《国史跡》菊池氏遺跡

令和6年2月21日に国史跡に指定された「菊池氏遺跡」にまつわる、ちょっとおもしろいお話を隔月で紹介します。

■お茶をたしなむ中世の菊池の人々?
菊池氏遺跡の確認調査で出土した遺物の中で、ひときわ目を引くものがあります。天目(てんもく)茶碗と風炉(ふろ)です。破片ですが、いずれもお茶に関係するものです。天目茶碗は見る角度によって色調が変わる、妖艶な光沢を持つお茶に使われる碗で、風炉は湯を沸かす火鉢のようなものです。
お茶の文化は平安時代に中国から伝わりますが、当時はまだ高価なものだったようです。鎌倉時代には禅僧が全国に広めたといわれています。その後、室町時代に中国産の茶器が唐物(からもの)と呼ばれて好まれ、出土した天目茶碗は、この頃のものではないかと思われます。
当時の菊池の人々も現代の私たちと同じように、おしゃれな碗に注いだ薫り高いお茶を楽しんでいたのかもしれません。

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