くらし 男女共同参画推進懇話会便り

だんじょきょうどうさんかくすいしんこんわかいだより

◆男女共同参画推進懇話会
緒方幸代(おがたさちよ)さん

結婚して28年ほど、ずっと共働きです。若い頃は、家庭内の家事や子育ての分担に、いつもイライラ、もやもやしていたような気がします。仕事が終わったら、保育園のお迎え、夕飯の買い物、家に帰ると洗濯物を取りこみ、お風呂の準備、夕飯の準備、食べ終わったら片付け。「同じように仕事をしているのに何で自分ばかり」。夫に対して、「もうちょっと手伝ってくれたらいいのに」と不機嫌になる毎日。
でも、今思い返すと、夫は何もしていないわけではなかったのです。保育園に送ってくれていたし、毎日こどもたちをお風呂に入れてくれていました。私が疲れてリビングで寝てしまっていると、お茶碗を洗ってくれたりしていました。ゴミも出してくれていたし、時には洗濯物もたたんだりしていました。そのありがたさに、当時気づけていたら、もっと心穏やかでいい時間が過ごせていたでしょう。昔の自分と、今の自分は何が違うのか。昔は自分のことしか考えていなかったのだと思います。
先日、職場に高校生の男の子が実習に来ました。いろいろ話す中で高校生に「料理とかするの」と聞いたところ、「しますよ。家族の夕飯は僕が作っています」と答えてくれました。そこにいたみんなが驚き、「何で」と聞くと、「自分が一番、時間が空いてるから」とのことでした。その答えがとてもすてきだなと思いました。できることをできる人がする。そしてそのことに周りが感謝を伝え合う。何で自分ばっかりと思っていた私とは大違い。家庭の中での協力を高校生に教えられました。
男女共同参画社会が最終的に目指すのは「一人一人の豊かな人生」。家庭、職場、地域で、一人一人がパートナーや周りの人に対して、思いやりや感謝の気持ちを持って、協力し合うことで実現できると思います