- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県あさぎり町
- 広報紙名 : 広報あさぎり 2025.12月号
■干支の「午」にちなみ、馬とともに成長する南稜高校馬術部を取材してきました!
新年は干支でいう「午年」です。十二支の中でも馬は、元気よく前へ進む象徴とされています。
南稜高校には、全国でも約70校ほどしかない馬術部があり、馬の世話や馬房の掃除、騎乗練習まで、馬とともに学び、汗を流す日々を送っています。私たちの暮らしのすぐそばで、こんなにも身近に「馬と生きる」高校生たちがいることをご存じだったでしょうか。
取材を通して見えてきた練習の合間に見せる笑顔や、思うように行かない時でも前を向く姿からは、馬と向き合うからこそ育まれる優しさやたくましさがみなさんから伝わってきました。
普段はなかなか見ることのできない馬術部の練習風景はもちろん、馬に対する愛情深い行動や部員や顧問の先生との絆など、南稜高校馬術部の魅力をお届けします。
■「午年」ってどんな年?
干支の午(うま)の由来が僕たち馬じゃないって知ってた?
十二支の「午(うま)」は、もともと馬の字ではなく、年や時刻・方角を表す記号でした。南の方角や、お昼ごろ(午の刻)を指し、太陽が高く昇る力強い時間と重なります。
そこから午年は、「前へ進む」「チャレンジに向いた」イメージを持つ年とも言われます。馬術部の皆さんが馬とともに一歩一歩成長しているように、今年を「新しいことに踏み出すきっかけの年」にしてみてはいかがでしょうか。
■食品科学科3年 永井紫杏さん(前キャプテン)
馬術部では、放牧中に自由に走り回る馬を眺める時間が一番の癒やしです。ジュニア時代から大好きだったマハロ号と3年間挑戦を重ね、高校総体では複数のトロフィーを獲得しました。毎日の世話や練習を通して、命を預かる責任感や継続力、人前に立つ度胸が身についたと感じています。卒業後は地元で働きながら、恩返しの気持ちで馬たちと後輩の活動を支えていきたいです。
■生活経営科2年 川内胡桃さん(現キャプテン)
馬術部では、自分と馬の動きがぴたりとかみ合い、できなかった技ができるようになる瞬間が何よりの喜びです。新人戦の馬場馬術で優勝した経験は大きな自信になりました。思うようにいかない日も原因を考え、馬を怪我させないよう細心の注意を払いながら、学業との両立にも挑戦しています。好きな馬に服を破られたハプニングや、本番ではじめて1メートル障害を飛べた感動も糧に、責任感と切り替える力を身につけました。総体で良い結果を残し、先輩達の背中を追いかけ全国大会を目指します!
■南稜高校馬術部の概要
▽創部の歴史
平成4年南稜高校馬術部創部
平成5年07月第27回全日本高等学校馬術競技大会(大分県)に初出場
平成6年03月校内馬場が完成
平成6年11月校内厩舎が完成
▽在籍馬の概要・印象的な馬
これまで在籍してきた馬の頭数:約50頭
印象に残る馬:マルコスルー号
くまもと「未来国体」馬術競技・少年競技で優勝をもたらした馬、各種大会で多数の優勝・入賞に貢献
▽卒業生の進路・実績
・4年制大学への進学
・北海道の牧場、乗馬クラブ等への就職
・アジア大会金メダリストを輩出
・全日本学生大会での優勝・入賞・出場者を多数輩出
▽主な出場大会・競技会成績
全日本高等学校馬術競技大会(団体戦)
優勝…1回、準優勝…1回、第3位…6回
その他、日本代表として、日韓馬術大会やオーストラリア研修への選出実績あり
■馬術部顧問の樫山健吾さんと豊岡糸乃さん
創部33年の南稜高校馬術部は、校内の馬場と厩舎で9頭の馬と活動し、牧草づくりから馬の管理まで生徒が担っています。「馬ファースト」の日々を通じて責任感や生き物への愛情、生活習慣や協調性も育まれます。
おくんち祭りなど地域イベントや乗馬体験にも積極的に参加しています。また、JRAや各企業、馬術部後援会を始めOB、OG地域のみなさまの支えを受けながら全国大会を目標に頑張っています。町民のみなさまには、今後とも温かい応援をよろしくお願いします。
今回の干支にちなんだ南稜高校馬術部特集はいかがだったでしょうか?
全日本大会などで実績を重ねる一方、地域イベントや乗馬体験にも積極的に参加。馬と向き合う中で、部員たちは責任感や継続力、人や動物を思いやる心を育み、多くの生徒が馬の仕事や競技の世界へ巣立っています。これからも南稜高校の顔として、馬とともに歩み続けます。
