くらし 開こう心の窓を -多様性の時代-

「DEI」という言葉をご存じでしょうか。Dは「ダイバーシティ(多様性)」、Eは「エクイティ(公平性)」、Iは「インクルージョン(包摂性)」を表す言葉の頭文字です。年齢や性別、性的指向、人種、国籍、民族、宗教、障がいなどの違いに関わらず、すべての人にとって心地よい居場所があり、組織や社会において多様な人々が平等に機会を得て、活躍できる環境を作るための視点です。
アメリカでは政権が変わり、大きな方針転換によって、DEIの動きが後退しようとしているという、気になる報道も目にするところです。実際、5年前に黒人男性が白人警察官に逮捕され窒息死をした事件をきっかけに広がった「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」運動の象徴として路面に描かれていたblack lives matterの文字が消去されたニュースがありました。
一方、3月に行われた「国際女性デー」の行進では、女性の権利だけではなく、恵まれない人々、黒人、LGBTQの人々など、すべての人の人権尊重を訴え、DEIの後退に対して抗議する姿も見られました。さまざまな人権問題に疑問や怒りを抱きながら、多様な人々が自分らしく生きていけるようにと願う姿は、日本初の人権宣言と言われる「水平社宣言」にある「人の世に熱あれ、人間に光あれ」という結びの言葉に通じるものがあります。
一人ひとりが、ありのままに自分らしく生きられるべきという考えは、人権尊重の基本となる大切な考え方と言えます。もとより人は、それぞれの価値観を持ちながら日々の生活を送っていますが、互いに尊重しあい、多様性を認め合うことは「人権の世紀」とよばれる21世紀に欠かすことのできない大切な視点だと言えるのではないでしょうか。

問合せ:人権・同和対策課
【電話】22-1229