健康 中津市民病院の健康コラム

神経内科 太田 浄文

■アルツハイマー病の新規治療法
超高齢社会を迎えた日本では認知症患者数が400万人を超えています。認知症の最も多い原因疾患はアルツハイマー病で認知症患者の67%程度と推計されています。これまでアルツハイマー病の治療は飲み薬やリハビリなどがありましたが2023年にこれまでと全く作用機序の異なる薬が使用できるようになりました。アルツハイマー病患者の脳内ではアミロイドベータというたんぱく質が凝集・沈着(固まって脳にこびりつく状態)する変化が起きていて、このアミロイドベータがアルツハイマー病発症の原因と考えられています。アミロイドベータを除去する薬剤であるレカネマブ(商品名:レケンビ)、ドナネマブ(商品名:ケサンラ)の2剤が開発されて医療現場で使用可能になりました。この2剤は早期のアルツハイマー病、つまりもの忘れの軽い人だけに使用可能で症状の進行した人には使用できません。また副作用もあるため厳密な適用基準がありそれらを専門医が判断する必要があります。
中津市民病院は大分県北地域で唯一の治療開始判定と投薬の施設基準を満たした医療施設です。治療を希望される場合やもの忘れが気になる場合は、まずはかかりつけの病院やクリニックに相談して当院の「もの忘れ外来」を予約してください。完全予約制で医療機関からの紹介の人のみ受付しています。

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