くらし 人権コラム 心、豊かに やせている女性は美しい?

若年女性の「痩せ(やせ)」への過度なこだわりが深刻化しています。その背景には外見的な特徴だけで人の価値を決めつけてしまう「ルッキズム(外見至上主義)」が存在しています。
ルッキズムの広がりは、ソーシャルメディアが大きく影響しています。身近な同年代の人たちがSNSに投稿する写真や動画の「いいね」の数やフォロワー数といった見える形による評価が重視される風潮に感化され、自分への評価の数を増やすため「見栄えを良くし、褒められる姿を見せなければ」と感じる人が増えているようです。
そして、そのような風潮に乗っかるような「やせている=美しい」という基準や雑誌・テレビのダイエット特集などに触れる機会が多くなり、「やせなければならない」という強迫観念が若い女性に生じているようです。
厚生労働省は「健康日本21」の中で、低体重(BMIの数値が18.5未満)とされる女性が増加傾向にあるとしたうえで、(1)骨密度の低下による将来の骨折リスク(2)月経不順(3)低出生体重児のリスク上昇などを「やせ」が引き起こす健康問題として取り上げ、さらには20~30歳の女性の約20%が低体重というデータを示し、これは先進国の中でも突出した数値であると警告しています。
周囲からの「やせたほうがよい」という圧力や「太っている自分は価値がない」という自己否定は個人の尊厳を傷つけます。体型(スタイル)の多様性を認めず、「やせ」を美の特段の基準とすることは人権の軽視であり、フランスでは2017年より、やせすぎたモデルの起用を禁止する法律が施行されています。
前述のような健康問題の解決も含め、メディアやSNSが発信する極端なダイエット法の紹介など、「やせていることが美しい」という価値観の喧伝(けんでん)を見直し、多様な個性を受け入れる社会の形成が必要です。

問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)