くらし 人権コラム 気づき NO.51

■男女共同参画
女性が男性にプロポーズすると何故「逆プロポーズ」というのでしょうか? 男性が育児をすると「イクメン」と言われることは不思議だと思いませんか? 普段当たり前のように使っている言葉や意識していないことでも、男女共同参画の目線になると疑問に感じることは他にもたくさんあります。
平成11(1999)年に施行された「男女共同参画社会基本法」には次の5つの基本理念が掲げられています。(1)男女の人権の尊重、(2)社会における制度または慣行についての配慮、(3)政策などの立案および決定への共同参画、(4)家庭生活における活動と他の活動の両立、(5)国際的協調です。これらはすべての国民が、性別に関係なく、個性と能力を発揮できる社会の実現を目指して制定されました。四半世紀以上も前に施行された法律ですが、今もなお、日本社会はこの理念を実現できたとはいいがたく多くの課題が残っています。
世界経済フォーラムが経済、教育、政治、健康の分野ごとで男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数(GGI)というものがあります。令和6(2024)年度調査では調査対象国のうち、男女間の平等が最も進んでいる国は15年連続でアイスランドでした。続いて2位がフィンランド、3位がノルウェーと北欧の国々が上位を占めています。
日本は何位だと思われますか?なんと世界146か国中118位でした。日本は教育、健康分野は世界的にみても差はありません。しかし、経済と政治の分野の指数が著しく低く女性管理職や国会議員の数が少ないことが影響しているのです。G7(主要7カ国)の中でも最下位で男女平等の実現は道半ばといえるでしょう。
「男女共同参画社会基本法」の公布・施行日である6月23日から29日の1週間は男女共同参画週間です。日頃の生活の中で、男だから女だから、男のくせに女のくせに、といった考え方をしてしまうことがないか、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?
家庭、学校、職場、地域など社会のあらゆる分野に男女が対等な立場でともに参画し、利益と責任を分かち合って、個性と能力を生かせる豊かな社会にしていきましょう。
〔社会教育課、人権啓発・部落差別解消推進課、隣保館〕