- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県日南市
- 広報紙名 : 好きです にちなん 2025年11月号
糖尿病は、誰にでも起こりうる身近な生活習慣病です。
日頃の食事や運動を見直し、早めの予防と健康づくりを心掛けましょう。
■第61回全国糖尿病週間(2025)に寄せて
宮崎大学医学部内科学講座
血液・糖尿病・内分泌内科学分野
上平 雄大
皆さんはブルーサークルをご存じでしょうか。世界糖尿病デーのキャンペーンに用いられる、青い丸のことです。ブルーサークルは、糖尿病に関する国連決議(糖尿病の全世界的脅威を認知する決議)が採択された翌年の2007年から使用されているシンボルマークであり、国連やどこまでも続く空を表す「ブルー」と団結を表す「輪」をデザインし“Unite for diabetes „(糖尿病との闘いのために団結せよ)という意味が込められています。また、世界糖尿病デーである11月14日には糖尿病の脅威啓発のために世界中のさまざまな施設がブルーにライトアップされます(過去に宮崎県では県庁本館や古賀総合病院がライトアップされています。今年は11月9日から15日で県庁本館の他、都城市北諸県郡医師会館本館、日南市役所がライトアップ予定です)。
世界の糖尿病患者数は5億人を突破し、今後も増加することが予想されることから糖尿病はいまや人類全体の健康を脅かす病気となりました。一人一人の生活習慣や治療の継続はもちろん重要ですが、一人一人が糖尿病を正しく知り、理解するなど社会全体で団結して支え合う姿勢が重要です。
11月14日の「世界糖尿病デー」をきっかけに、あなたもブルーサークルの輪に加わってみてはどうでしょうか。
※日南市役所庁舎のライトアップ期間は、11月13日から19日までです。
■糖尿病とは
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。
■血糖とインスリン
インスリンは、すい臓から出るホルモンで、血糖値を下げる唯一のホルモンです。食事をとって血液中の糖が増えるとインスリンが「糖を体の細胞に入れてエネルギーにしよう」と手伝ってくれます。インスリンのおかげで、血糖の量が一定に保たれ、体を元気に動かすことができます。
インスリンの働きが悪くなると、血液中の糖が多くなる。…高血糖
インスリンが糖を細胞に取り込ませて血糖値を一定に保っている。…通常
※詳細は本紙をご覧下さい。
高血糖は血管が傷付き、重い病気になるリスクがあります。
・心臓病
・失明
・腎不全
・足の切断 など
■糖尿病ってどんな種類があるの?
糖尿病は、成り立ちによっていくつかの種類に分類されますが、主に1型糖尿病と2型糖尿病があります。

※参考:国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病ってなに?」
■健診を受けて健康状態を知りましょう
日南市では、国民健康保険加入者の40~74歳までの方を対象にした「特定健診」を実施しており、糖尿病の検査項目も含まれています。まだ健診を受けていない方は、ぜひ、受診してください。まずは、ご自身の血糖などの数値がどれくらいなのか知ることが大切です。健診の結果に応じて、保健師や栄養士が健康生活のための支援をいたします。

※空腹時血糖:10時間以上食事をしていない空腹時の血糖値
※HbA1c(ヘモグロビンA1c):血糖の1~2か月の平均的な高さを示す指標
※国民健康保険加入の35歳の方を対象にした「若年者健診」および75歳以上の後期高齢者の方を対象にした「後期高齢者健診」でも同様の検査が含まれています。
R6日南市特定健診結果(空腹時血糖)
R6年度の特定健診受診者のうち約3割の方が、血糖値が高めの結果となっています。
あなたの血糖値はいかがですか?

■糖尿病の予防にはバランスのとれた食事と適度な運動の組み合わせが効果的です。
◇食事
・腹八分でやめる
食事の量を減らして摂取カロリーを抑えましょう。
・野菜を積極的に食べる
食物繊維は糖の吸収を緩やかにしてくれます。
・朝食、昼食、夕食を規則正しく食べる
例えば、朝食を抜いてしまうと、次に食べる昼食で食べる量が増え血糖値が急上昇します。
◇運動
・ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、全身に血液を行き渡らせ、インスリンの働きを助けてくれます。
食後1時間ごろの運動が推奨されています。
・筋力トレーニングは、筋肉が増えることでインスリンの効き目がよくなり、筋肉への糖の取り込みが多くなります。
問い合わせ:健康増進課
【電話】31-1129
