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- 自治体名 : 鹿児島県西之表市
- 広報紙名 : 広報にしのおもて 市政の窓 2025年6月号
大地震に強い港をつくろうと、「西之表港洲之崎地区複合一貫輸送ターミナル整備事業」の着工式が5月18日、西之表市民会館で開かれました。
この事業は、西之表港の洲之崎沖を埋め立てて耐震強化岸壁を築き、大規模地震発生時の防災拠点として、緊急物資のすばやい海上輸送ができるようにするものです。西之表港で取り扱う貨物の増加に対応するよう、新たな岸壁とふ頭用地をつくります。
耐震強化岸壁は、大規模地震に備えて耐震性を強化した係留施設です。岸壁の堰体幅を広げたり、埋立地の土圧を軽くして地盤を改良したりして、液状化対策も図ります。昨年起きた能登半島地震では耐震強化岸壁が整備されていた七尾港が、災害に耐え、救援物資の輸送に大きな役割を果たしているそうです。
西之表港は港湾法の重要港湾に指定されていますが、防災拠点として想定されるエリアは、種子島や屋久島などの大隅諸島ほか、竹島、硫黄島、黒島の三島。さらに口之島以南のトカラ列島も入っています。
この事業は、国土交通省の直轄事業に位置付けられ、2022(令和4)年度に同省の西之表港湾事務所が開設されました。その後、埋立地周辺で固有種(県指定天然記念物)であるタネガシマハナサンゴが見つかり、調査、移植作業などで工期が延び、ようやく今回の式典開催となりました。完成は2028年度末の予定です。
式典には、港湾を管理する鹿児島県の塩田康一知事、国交省の稲田雅裕港湾局長、地元選出の衆院議員、県議らが出席したほか、海上保安庁、警察、種子島3市町の首長、議会、農林水産業をはじめ、建設、海運、商工、観光業の団体、近隣集落の代表らも出席しました。
式典のオープニングでは榕城小学校の児童たちが鉄砲太鼓を披露して、祝賀ムードを盛り上げました。種子島の基幹産業である農林水産業はもとより、産業全体の振興に重要な役割を果たすことを大いに期待し、産官連携の事業成就を目指します。