健康 粟国診療所

医師 大田瑞生

◆痛風について
旧正月も過ぎましたがまだまだ寒さと天候不良が続いていますが、体調不良には気をつけていますでしょうか。小雨の時は転んでけがをする方もいます。焦って走ったりしないで済むよう、外出時には天気予報を確認しましょう。さて、今回は粟国島でも多くの患者がいる痛風についてのお話です。

▽痛風とは
痛風発作については、知っている方が多いかと思います。関節や指が腫れて痛くなり、ときには熱を持ちます。ひどいときには歩けないほどの痛みになり1週間程度かけてゆっくりと症状が改善していく病気です。
中年以降の男性に多いと言われますが、女性でも起こす方はいます。原因としては、尿酸が体に過剰に溜まった状態(=高尿酸血症)が続くと、尿酸結晶が関節に溜まってきます。その結晶が原因で炎症が起きると、腫れて痛くなるのです。
炎症が治まれば痛みもなくなりますが、高尿酸血症が変わらなければまた結晶が溜まって炎症、という流れを繰り返すことになります。

▽予防
痛風の予防は、高尿酸血症の状態を避けることが全てと言っても過言ではありません。大きくは生活習慣の改善と薬物治療になります。

・尿酸が7を超えてきたら
高尿酸血症の診断になります。痛風発作を起こしていなければまずは薬ではなく生活習慣の改善を勧めます。具体的には尿酸のもとになるプリン体の少ない食事、継続的な運動、飲酒制限になります。
プリン体はビールや干物、レバー、魚卵に多いと言われています。インターネットでも簡単に調べられます。焼酎や泡盛など蒸留酒はプリン体が少ないと言われていますが、一緒に食べるおつまみに塩分・プリン体など豊富なことが多く、過剰摂取になっていることがよくあります。

・尿酸が9を超えたら または、生活習慣病や心筋梗塞をお持ちの方は
はじめから薬物治療を行うことが多いです。とは言っても、食事や運動に気をつけないといけないのは変わりません。尿酸は痛風だけではなく動脈硬化の原因になるとも言われています。今は症状がなくても、将来自分の内臓が悪くなることを防ぐためにしっかりと治療を行いましょう。