- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県粟国村
- 広報紙名 : 広報あぐに 2025年4月号
粟国村長
上原 一宏
◆はじめに
本日、ここに3月定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただき、まことにありがとうございます。
令和7年第1回粟国村議会定例会の開催にあたり、令和7年度各会計予算案をはじめとする諸議案の説明に先立ち、私の村政運営の基本的な考え方と主要施策について、その概要を申し述べ、議員各位並びに村民のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年の8月1日に、村長に就任してから6カ月あまりが経過いたしました。
これまでの間、村民の皆様をはじめ、村議会議員各位のご指導・ご協力を賜り改めて、感謝申し上げます。
村民の皆様からの期待と、各種課題に対して、真摯に一つ一つ課題解決に取組み、村民の皆様が安心・安全に生活頂けるよう全力で努めてまいります。
粟国村のよりよい未来の実現に向けて、議員各位におかれましても、共に素晴らしい粟国村を創り上げるため、格段のご理解とご協力そして貴重なご意見を賜りますよう、あらためてお願い申し上げます。
それでは、令和7年度の施政方針と予算案、主要事業等をご説明申し上げます。
■[1]村政運営の施政方針
◆1.公約の実現
「若者が帰ってきたくなる島、子育てがしやすい島、高齢者が安心して暮らせる島」をコンセプトに、新たな時代に向かって子どもたちや若者が夢と希望を持ち、高齢者が安らぎと生きがいが持てる社会を目指して、本村の将来像である「大洋の中に豊かなくらしと文化を築く粟国」の確立に向けて、社会の動向等を踏まえながらむらづくりに努めてまいります。
そのためには、私を含めたすべての職員が、村民の生活を豊かにするために尽力して業務に励み、そして村民の皆様のご期待に応えるよう事業を展開し、粟国村の成長を進めてまいりたいと考えております。
◆2.DX化について
DX(デジタルトランスフォーメーション:情報通信技術の浸透に伴うビジネスや社会の構造的変革)の波に乗り遅れることなく、ICT(情報通信技術)を駆使してDX化を図り、庁舎内の電子決裁が実現し、ペーパーレス化を推進しているところです。また、昨年に引き続き、座間味村、渡嘉敷村との合同による「とまりん」における3村の船舶事務所の業務合理化による、キャッシュレス化に向けて協議しているところですが、今年も引き続き、進めてまいりたいと考えています。
そのための支援として令和5年1月に協定を交わしました株式会社おきなわフィナンシャルグループとの包括的連携を十二分に生かし、その目的である粟国村の振興に向けた経済活性化の実現を目指しています。前年度から同社出向職員を受け入れ、民間の力をいかんなく発揮していただいておりますので、今年も継続していきます。
◆3.原油価格・物価高騰等に対する対策
現在、4年目に突入したロシアのウクライナ侵攻に加え、イスラエルとハマスの戦闘などが、アメリカ合衆国トランプ大統領主導による休戦が模索されており、又、同大統領による関税引き上げの問題等があり、世界経済は出口の見えない混沌とした状態が続いています。それに伴う原油価格・物価高騰等が暮らしを直撃し、村民も家計のやりくりに一苦労しているのが実情です。国からの支援に期待し、緊急時には脆弱な村財政からの出動も検討せざるを得ないのではと昨年度同様、危惧しているところです。
◆4.教育・子育て支援について
私たちは、粟国村の自然を含めた様々な恵まれた環境の中で、その恩恵を享受しています。未来の子どもたちのために粟国村の貴重な財産を継承、発展させていく責務を背負っているわけであります。このことを片時も忘れることなく、わたしたち行政も、皆様方とともにその責務を果たす所存です。
幼稚園の保育料、学校給食の無料化の継続、並びに英検等各種検定料を無償化することにより子育て世代の負担軽減に努め、安心して子育てができるよう支援いたします。ICT指導員を配置し、学校DXを推進し教職員の業務改善を図り、児童生徒のスポーツ、文化活動の交通費・宿泊費補助を継続し、国際社会の推進とグローバル化社会への対応をした海外ホームスティ事業、まちなか留学の充実を図り、異文化交流を推進し、教育環境の整備を図り、離島であるが故の不利性を克服し、勉学でもスポーツでも他所に引けを取らない誇り高き子どもたちを育成すべきと考えます。そのためには、行政の力のみでは不十分です。引き続き地域の皆様には、より良い勉学の環境づくりと子どもたちへの温かいまなざし、ご協力をよろしくお願いいたします。
◆5.医療、高齢者・障がい者の支援について
本島で通院治療をされている方の経済的負担を軽減するためにフェリー往復運賃の助成制度拡充の模索を図り、高齢者の生きがいづくり、健康づくりの為、パークゴルフ場の活用を図っていきたいと思います。誰もが安心して暮らすことができるように、一人ひとりの状態にあったきめ細かいサービス提供を受けられる様、相談体制の構築を図る。
また、令和6年度より高齢者みまもりサービスを実施しております。この事業は主に高齢者や障がい者等ひとり暮らし世帯を中心に行われている事業で、各世帯へWiFiセンサーを2台設置し活動検知・睡眠検知を設置し、センサーにより検知し、離れて暮らす家族へ通知が届くようになっています。
令和7年度も継続し、高齢者みまもりサービスを増やしていく予定です。