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特集 学びの改革 GIGAスクールで広がる可能性

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三重県度会町

町内の小中学校では、今日も子どもたちの元気な声が校舎内に響き渡っています。
学習する様子に目を向けると、そこには、先生の合図で一斉にタブレットを操作する子どもたちの姿がありました。
令和3年1月に町内の小中学生に1人1台のタブレットを配布。まるで、強力な味方をつけたかのように子どもたちの目は輝いていました。タブレットが文房具のように身近な存在となった現在、小さな教室では大きな「学びの改革」が行われています。
どう変化したのか。今月号では、これからの未来へつなぐ令和の学び方を紹介します。

「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All」の頭文字を取り、全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉という意味です。

■学習環境が変わった背景
町では、令和3年1月から一人一台のタブレットと高速ネットワーク環境を整備した「GIGAスクール構想」が始まりました。文部科学省が打ち出したこの構想は、ICT(情報通信機器)教育の環境を整備し、子どもたち一人一人に合わせた学びと「情報活用能力」の育成を実現することを目的としています。
学習環境が大きく変わった背景には、時代の変化とICT活用の遅れがありました。

◆加速度を増す社会の変化
社会全体のデジタル化が急速に進み、ここ10年を振り返ってみても、キャッシュレス決済やテレワークなどが現代の当たり前になったように、これから子どもたちが担っていく社会もどう変化していくか予測できません。変化に対して受け身で対処するのではなく、主体的に向き合う力が求められています。

◆広まるデジタル遅れる活用
スマートフォンを持つ子どもが増えている一方で、2018年のOECD国際教員指導環境調査では、中学生を対象とした「学校で生徒に課題や学級活動でのICT活用率」が48カ国中、日本は47位の17.9%で、最も進んでいるデンマークは90.4%、平均は51.3%という結果でした。
デジタル機器が日常生活と切り離せなくなった今だからこそ、子どもたちに対して「使ってはいけない」ではなく「どう正しく使うか」を一緒に考える必要があります。

◆デジタルを活用し学びを深める
多様な社会で生きていく能力を身に着けるには、従来の一斉教育だけではなく、一人一人の特性や理解度に応じた教育が必要です。
GIGAスクール構想を実施することで、学びを深め、個々の能力をより引き出し、次世代の人材育成を目指しています。
さらに全教室に電子黒板を設置。自分の意見や友達の考えを共有し、時には大きく映して発表できます。子どもたちの興味関心を高め、学びを共有し深める道具として活用しています。

○タブレットや電子黒板を導入して変わったこと

■自ら考え、楽しく学ぶ 活用事例を紹介
子どもたちはタブレットなどを活用することで、教科書の内容だけに留まらず、インターネット上の情報を取捨選択して、自分の考えをまとめます。活発な意見交換を通じて他者の視点に触れ、自らの考えを広げ、新たな気づきを得ています。
このように、自分の考えを客観視することで、受動的な教育ではなく、自主的に学びを深める環境を整えています。

◆自分のフォーム確認
マット運動でお互いに自分のフォームを動画で取り合い、お手本動画と比較。
動画を停止しながら、細かい動きを確認できます。

◆調べ学習
例えば「聖徳太子が行ったことは?」という題に対し、タブレットで検索した内容から自分の解答を打ち込みます。

◆動画や写真でより深く
動画や写真を見ることで、言葉だけでは理解しにくい内容もより深く学ぶことができます。

◆アプリで楽しく復習
学習アプリを使って復習もできます。履歴が残るので、苦手な問題の傾向を把握。テスト勉強の隙間時間に使う子どももいます。

○子どもたちの声
・みんなの意見が聞きやすくなったし、自分の意見も発表しやすくなりました。
中学校3年生 久保心尋(みひろ)さん(棚橋)、畑中彩那那(あやな)さん(立岡)
・分からないことは、検索機能を使って調べています。
すぐ調べられるので、つまずくことなく、勉強ができています。
小学校6年生 山崎竜梧(りゅうご)さん(大野木)

○先生の声
・注目してほしいポイントが明確になり、より伝わりやすくなりました。
導入時と比較すると子どもたちの対応力も上がり、今では楽しみながら積極的にタブレットを活用しています。
度会小学校教諭 6年A組担任 下村友也さん

■これからの学び 町の想い
『空間を超えた学び』『人と人のつながりを深める学び』『自分が主体的に活動する学び』が大切と考えます。このような学びを育成するために、情報端末(タブレットやパソコンなど)が道具として学びを支援してくれます。
「タブレットで、みんながやったことを共有できる」「他の遠くの人とも情報を共有できて沢山のことを知ることができる」「授業が楽しくなった。今まで知識を入力する学習が多かったが、考えやまとめたことを発表する学習の機会が増えて、自分の言葉で表現することを沢山できるようになりました」との声があるように、一人一人の授業への参加度が高まることがねらいです。
未来を輝かせる道具として使って、素敵な学びへアップデートして欲しいと考えています。
度会町教育長 中村 武弘

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