教育支援委員会寄稿

3／13

■「心の根を大きく育てよう」
伊根小学校　校長　山本淑子

子ども達の「成長」について、考えてみたいと思います。
子ども達は様々なことを身につけて、大人になっていきます。人間の成長には、「目に見える成長」と「目に見えない成長」があると言われています。
「目に見える成長」とは、身長や体重、計算力や学力テストなどの数字や量ではかれるものです。「目に見えない成長」とは、考える力、優しさ、頑張る力などの心の成長です。(これは、「非認知能力」とも言われており、その重要性についてどこかで聞かれたこともあるのではないでしょうか。)
私たちは、どうしても、「目に見える成長」の結果を求めがちです。なぜなら、わかりやすいからです。でも、「目に見えない成長」を大切にする必要があります。
神奈川県鎌倉市にある円覚寺というお寺で管長を務められている横田南嶺さんの講話に、「樹木は根をはった分、枝を広げることができる。人もまた、深く根を養ってこそ、世の中で活躍することができる。」という言葉があります。
これは、目の前に見える大きな木には、目には見えない地中にそれを支えるだけの大きな根があるからこそ大きな枝や葉を広げることができる。つまり、根を大きく育てれば、大きく成長できるということを表していると思います。
子ども達の成長も同じです。結果だけを褒めるのではなく、頑張っていることを褒め、認め、励ますことが、意欲を高めることにつながります。
学校でも2学期は学校生活全体で、またマラソン大会・学習発表会などの行事を通して、教職員や子ども同士など、いろいろな視点から、褒め合い、認め合い、心の成長を図っていこうと考えています。
ご家庭や地域でも、子ども達が頑張っていたり、良いことをしたりしている時には、言葉にして伝えていただきたいと思います。結果だけでなく、過程を褒められた子ども達は、うれしくなり、「がんばってよかった」「次もやってみよう」と挑戦し、成長していきます。
子ども達の心の根を保護者・地域の皆様と育てることができたら…と考えています。
地域の宝である子ども達が豊かに成長するために、今後とも伊根町全体で、温かく子ども達を見守っていただきますよう、よろしくお願いいたします。