■クマに出遭わないために知っておきたい2つのこと
◆1.クマの出没スポットへ近づかない
〔月ごとのクマ目撃数〕
○クマの痕跡から危険を回避!
冬眠に備え活動が活発になるこれからの季節は、特にクマの出没が多くなります。市や府が公開する出没情報を収集し、危険な場所には近づかないでください。
クマがいた痕跡は、糞や足跡、クマ棚と呼ばれる折れた枝を積み重ねたものから確認できます。クマの痕跡を見つけたら引き返してその場から離れるなど、クマの出没スポットへ近づかないようにしましょう。
〔時間帯ごとのクマ目撃数〕
○子どもたちの下校時間に注意!
クマの目撃が最も多いのは夕方の時間帯。これは、子どもたちの下校時間とも重なります。
外を歩くときは、できるだけ一人での行動を避け、鈴や笛、ラジオなど音のするものを身に着ける、2人以上で話しながら歩き、人間がいることをアピールするなどの対策をしてください。
もし、クマを見つけた場合は、市役所や各支所に連絡してください。みなさんの情報発信が地域の安心安全につながります。
連絡先:農林業振興課
(【電話】24-7047【FAX】23-6537)
◆2.クマをおびき寄せない
○クマの大好物・柿への対策がとても重要!
大好物である柿は、クマの出没に大きく影響しています。京都府が秋に調査したクマのうち、約7割のクマが柿を食べていたことがわかりました。
不要な柿の木は伐採する、落ちている実を放置しない、木の幹にトタンを巻く、電気柵を設置してクマが登れないようにするなど、柿対策でクマが寄ってこない場所にすることが大切です。
他にも、クマが大好きなハチミツがあるハチの巣や、生ごみにもクマは寄ってきます。食べ物などをきっかけに家屋へ侵入することがあるため、誘因物がある場合は建物を施錠しておきましょう。
○収穫後の農作物や残(ざん)さも放置しないで!
収穫後の農作物や果実にも注意が必要です。外に置いておく場合はクマの手が届かないところで管理するほか、廃棄するものであっても、畑などに放置しないようにしましょう。
生ごみや農作物の残(ざん)さ(ろ過したあとに残ったかす)などは、埋める、燃やすことで、クマを寄せ付けない対策ができます。
○クマの隠れ場所を作らない!
家の近くに、クマの侵入経路となる茂みはありませんか。田畑や集落の茂みを取り払って見通しをよくすることで、クマを寄せ付けないようにしましょう。
■農産物や家屋、人への被害が発生しています!
本市の農作物被害額は、約3500万円(令和3年度)に上ります。その多くは、シカやイノシシによる被害ですが、クマが民家近くの柿や栗を食べてしまうこともあります。
また、クマは雑食性であるため、果物だけでなく罠にかかったシカを食べることがあります。意外と身近にいるクマからの被害を防ぐために、誘因物を残さず、毎日の見回りを徹底し捕獲したシカは速やかに回収するなどの対策をお願いします。
人が襲われる事例も発生しています。
令和4年10月30日、大江町高津江地域で、朝5時30分ごろに家の裏の柿の木で物音を感じた男性が、小さな子グマを発見しました。
後ずさりで玄関まで戻ろうとしましたが、途中で転倒。転んだ音に驚いた親グマが姿を現し、転んだ男性を襲いました。男性の命に別状はありませんでしたが、顔などに大けがを負いました。
■Conclusion クマと出遭わないために、今できること
○Interview クマが近寄りづらい集落づくりを
東北から北陸にかけて、ツキノワグマによる人身被害が多発しています。秋田県では住宅地に出没したクマが人を襲うなど、被害者の数も過去最多となりました。これは決して他人事ではなく、本市でも令和4年10月に大江町で人身被害が発生したほか、餌を求めたクマが家の中へ侵入したという事例も複数発生しています。
府の調査によると、今年のブナ科種子(どんぐり)の結実状況は「凶作に近い並作」となっており、山の中で得られるエサが少なくなっています。民家付近に放置された柿などの果樹は、クマにとってのご馳走です。軒下に作られたハチの巣や、畑に撒かれた生ごみや収穫残(ざん)さなどもクマが厳しい冬を乗り越えるための貴重な栄養源となります。
無意識のうちにクマに餌付けすることがないよう、個人や地域でできることを整理し、クマが近寄りづらい集落づくりに取り組みましょう!
福知山市鳥獣対策員 望月優(もちづきゆう)主査
○もっと詳しく知りたくなったら福知山市公式noteへ
望月主査の鳥獣対策員としての生活や仕事の様子は、福知山市公式noteでも紹介しています。市町村初の獣害対策公務員として日々奮闘する望月主査の思いを、ぜひご覧ください。
○現地を確認 パトロール実施中!
クマによる農作物被害や生活環境被害を未然に防ぐため、市・福知山警察・京都府が連携し、クマの目撃が多い地域住民向けに被害防止啓発パトロールを行っています。
集落にクマを寄せ付けない、クマと遭遇しないための講義や、実際に被害を受けた箇所や集落内の放任果樹の状況を確認します。
○地域で防ぐ 出前講座承ります!
農作物に甚大な被害をもたらすクマやシカ、イノシシなど有害鳥獣への対策について、市の鳥獣対策員が各地域の実情に応じた出前講座を実施します。講座の時間や内容は、事前に打ち合わせし、決定します。お気軽にお問い合わせください。
問合せ:農林業振興課
【電話】24-7047【FAX】23-6537
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