2月26日、吉野ヶ里町教育委員会は「絹本墨画淡彩天台大師像(けんぽんぼくがたんさいてんだいだいしぞう)《豪潮(ごうちょう)筆》」を町の重要文化財に指定しました。
名称:絹本墨画淡彩天台大師像(けんぽんぼくがたんさいてんだいだいしぞう)《豪潮(ごうちょう)筆》
種別:重要文化財(絵画)
所在地:吉野ヶ里町松隈1400番地
所有者:修学院
製作年代:江戸時代(寛政9年)
形状・法量:掛幅装・縦144.4cm×横70.5cm
◇解説
本図は天台大師が礼盤(らいばん)の上で印を結ぶ様子を描いています。画は淡い墨の線で描かれ、頭巾など部分的に淡い彩色を施し、法衣(ほうえ)の襟と袖には金泥(こんでい)による唐草文が描かれています。画面左上には、寛政9(1797)年仲冬(11月)に太宰府の信賢尊者および諸住侶の求めに応じ、豪潮が住職であった寿福寺の宝物である、隋の皇帝が写した天台大師像を模写したという、画像制作の事情が記されています。
豪潮は玉名出身の江戸時代の高僧で、各地に招かれ加持祈祷(かじきとう)(病気や災難などから逃れるため、神や仏に祈ること)を行いました。また、その書画は近世肥後の三筆の一人といわれ、その作風は豪放磊落(ごうほうらいらく)、自由闊達(かったつ)(大らかで、細かいことにこだわらないこと)などと評され、淡墨で変化に富んだ作が多く、独特の魅力ある作品となっています。本図は礼拝像として描かれたもので、その筆遣いからは、原本を忠実に模写する姿勢や謹厳な性格を伺うことができます。
問合せ:社会教育課文化財係(中央公民館)
【電話】0952-37-0340
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