■地震と津波
想像を絶する大災害が起こりました。正月で帰省された方々も多く、家族揃った団らんの楽しい時間が地震により一変してしまいました。
被災された皆さまに心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
この度の能登半島地震では、自然の恐ろしさ、そして非情で厳しい現実を突きつけられました。
新温泉町では震度4と発表され、津波警報は3メートルの予想が出されました。いち早く担当職員や消防団員が役場にかけつけ、災害対策本部を設置した後、町内全域の避難指示を決め、町民へ避難を呼びかける放送、避難所の開設、状況把握、情報提供、避難場所での対応などを行いました。また、各地区では自主避難を含め、区長、町内会長さんなどによる避難誘導活動を行っていただきました。避難中にお一人の方が怪我をされましたが、地震や津波による大きな被害はありませんでした。
■避難所
町は、浜坂多目的集会施設、ユートピア浜坂、浜坂中学校体育館を避難所として開設しました。また、各地区ではそれぞれの判断で高台や地区公民館等に避難していただきました。
浜坂中学校では体育館に約150人、車は約400台。その他の公民館などを含めると、避難者は約1000人近くにのぼりました。また、城山など車での避難者を含めるとさらに増えます。
■情報・暖房を!
今回多くの避難者から聞いたのは、「津波は来たのか」、「町がどうなっているか」などの情報が欲しいというものでした。避難先ではラジオ、テレビが必要です。
浜坂地域では個別家庭の屋内スピーカーが一部未設置の地区があり、「屋外の放送だけではよく聞き取れない」との意見を頂きました。過去からの課題であり、なんとかできないか検討いたします。
また、避難した体育館には冷暖房がありません。しかし、教室には設置済で、避難された方々から「教室を利用できないか」との意見もあり、今後は検討する必要があります。
■町の公式LINE(ライン)アプリ
現在、暮らしやごみに関する情報を、スマホを活用した「町公式LINE」で提供しています。現在、約2000人に登録していただいており、今回の災害に関する状況なども素早くお届けしました。スマホをお持ちの方はぜひとも登録をお願いいたします。
■反省点
これまでの避難訓練は大雨や台風など洪水を想定した訓練が主でしたが、今回は地震と津波に直面しました。
地震では一番に山や崖が崩れる土砂災害と津波が想定されます。また、平成28年の熊本地震の際は余震が本震より大きく、被害が広がったこともありました。そのような過去の事例もあり、町内全域で避難指示を出しました。この避難指示の出し方について、「温泉地域での避難が必要なのか」、「観光客のキャンセルがあった」、「津波なら沿岸部だけに出すべきではないか」、「どこに逃げたらよいか」などの意見を頂きました。難しい判断を迫られました。
教訓として、洪水、地震、津波、土砂崩れなど、それぞれに対応した避難所の見直しと設定、普段からの避難訓練の実施が必要だと実感しました。
■支援活動
現在、被災地支援として、給水タンク車と避難所運営支援等に係る職員・保健師の派遣(県の指示待ち、出動待機中)、救援募金活動、輪島市へのふるさと納税の代行業務(1月17日現在、約2180万円)、状況に応じて温泉の持参などを予定しています。
皆さまのご支援をお願いいたします。
新温泉町長 西村銀三
※「こちら町長室」の動画(CATV版)は、町ホームページでご覧いただけます。
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