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神河町史「民俗編」の調査 日々の暮らしを記録する(2)

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兵庫県神河町

神河町史編集員(民俗担当)西尾 嘉美
2.共同体の民俗行事
自治会・隣保や氏子などの共同体では、一年間を通してさまざまな行事が行われます。
特に10月の秋祭りは、いくつもの地区で神輿・屋台が町を練り歩きます。新型肺炎感染拡大により、この3年ほどは休止したり、祭典だけ行うなど規模を縮小したりしての開催でしたが、今年は大半の地区でようやく従来通りに行われました。
15日に実地調査させていただいた比延の日吉神社の秋祭りでは、宮元の比延、高朝田・寺前・鍛治の4地区が屋台や子ども屋台を出し、神輿の渡御も行われました。担ぎ出された屋台は、いずれも華麗なもので、多くの人たちが力を合わせて練り歩いている様子を拝見すると、地域の皆さんが協力して大切に維持していることが分かります。
この日吉神社の祭礼で特徴的なのが、「とんぼ」です。「とんぼ」とは、花嫁装束を身にまとった男性を輿に乗せ、屋台とともに練り歩くものです。今年は寺前と鍛治の2地区が、「とんぼ」を出しました。輿は、車長持を模した箱に長い舁き棒を括りつけてあり、前後に4人ずつ計8人により担がれます。息を揃えて歩を進め、歩くたびに輿が上下に揺れます。沿道で見ていた方々も、「久しぶりやなぁ」とうれしそうに見ておられました。
とんぼのように男性が女装をして祭礼に登場する例は各地にありますが、日吉神社の場合祭礼を盛り上げ観客も楽しめる意味合いの強いものとして興味深い行事です。
また、地域の人々により伝えられてきた「民俗芸能」の獅子舞が根宇野地区(大歳神社)と中村地区(埋田神社)・長谷(本村・重行)地区(市原神社)に伝承され、それぞれ秋祭りで奉納されます。
今後、町内の秋祭りの現地調査を順次行う予定です。

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