■記憶を風化させずに、希望を次世代に
日本は、地震が多い国です。本年の元日にも、令和5年能登半島地震が発生しました。これまでも、日本各地で、地震によって目の前の景色や生活が大きく変わり、不安な状況が長く続く地域がありましたが、どこも徐々に復興されてきました。能登半島も少しでも早く復興されていくことを願っています。今回は、13年前の平成23年3月11日に起こった東日本大震災の復興にかかわる本を紹介します。
■今月のおすすめ図書
各公民館で本の貸し出し、返却の連携をしていますので、借りたい本がない場合など、お問い合わせいただくと最寄りの公民館で本を借りることができます。
○『特別授業3.11 君たちはどう生きるか』
あさのあつこ他/著 河出書房新書
9人の講師たちが、さまざまな視点で災害を捉え直し、生き方を考える紙の上での特別授業。蔵書している本は文庫本で、10年後のコロナ禍での書き下ろしが追加されています。どう生きるかを考え続けるのは亡くなった人の分も、人生を大切にするために重要です。ぜひ、生き方を問い直すきっかけにしてください。
所蔵図書室:村岡区中央公民館図書室所蔵
○『はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ』
すとうあさえ/文 鈴木まもる/絵 童心社
東日本大震災が起こり、多くの人が避難所での生活を余儀なくされました。道路や線路は地震で壊れ、電気も止まってしまった、寒い東北地方に燃料を運んだディーゼル機関車の話をもとに描かれた絵本です。ディーゼル機関車はとてもリアルなタッチで描かれています。乗り物ではなく、被災地へと機関車を動かそうとした多くの人たちが主人公のお話です。
所蔵図書室:香住区中央公民館図書室所蔵、村岡区中央公民館図書室所蔵
○『希望の地図』
重松清/著 幻冬舎
「希望」だけでも「絶望」だけでも語れない現実を、被災地への取材を丁寧にすることで紡ぎ出した物語。物語だからこそ、その続きは私たち読み手にゆだねられているような気がする作品で、時間とともに災害時の記憶は風化していきますが、同時に希望も忘れてしまっていないかと考えさせられます。
所蔵図書室:村岡区中央公民館図書室所蔵、余部地区公民館図書コーナー所蔵
(文:村岡区中央公民館 図書室担当 和多田美菜)
■図書室での本の借り方・返し方
初めに、図書室で利用カードの発行手続きをしてください。
借りたい本と利用カードを、受付まで持参してください。
返すときは本だけを受付に持参してください。
目当ての本が見つからない場合は職員までお尋ねください。
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