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[特集]変わりゆく教育のかたち

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北海道帯広市

多様性の尊重やICT化など、時代とともに大きく変化している教育環境。
多様な教育的ニーズに対応した学習機会を提供し、子どもたちが安心して学べる学習環境・教育環境の整備を進めていくため、最新の教育改革や地域の取り組みについて紹介します。
編集担当課:広報広聴課

■ICTの活用
市では、小・中学校に通う児童・生徒1人に1台のタブレット端末を用意し、ICTを取り入れた教育を進めています。
教科書やプリントでの学習に加え、タブレット端末を使って理解を深めたり、学校を休んだ時にも授業に関する資料の受け渡しができるなど、さまざまな方法で活用されています。
▽南町中学校 柄澤(からさわ)先生
この日の授業では、他の生徒が提出した回答を自分の端末から見ることができました。
課題に対して自ら情報を獲得し、解決していくことが、現代社会を生きる上で必要な力だと思います。教科書を見る、他の人と話す、インターネットで調べるほか、他の生徒の回答を見て学ぶのも選択肢の一つです。
今後も、子どもたちが主体的に学べるよう工夫していきたいです。

■コミュニティ・スクール
コミュニティ・スクールとは、校長のほか、保護者、ボランティア、コーディネーターなどの地域の人たちで構成する協議会を設置した学校のことです。
市では、すべての小・中学校で導入しており、地域全体で子どもの豊かな成長を支える仕組みづくりを進めています。
▽子どもを支える地域の活動例
・学習・教育支援
・放課後子ども広場
・子どもの安全に関わる活動
・地域行事などへの参画

◆帯広発祥の地を巡るふるさと学習(東小学校)
▽東小学校 原先生
校区が帯広発祥の地であることを生かし、講師である地域の人と一緒に自分たちの足で見て回りながら、帯広の歴史を学んでいます。
普段何気なく遊んでいたところが開拓に関わっていたことを学んだり、教科書に載っている人物の家の場所を実際に訪れることで、自分が住んでいる地域に誇りを持つことができると思います。
▽東小学校教頭 髙橋先生
地域が教材となり、地域の人が先生となって発祥の勉強をすることで「ふるさと」への愛着や関心がより一層深まります。
今後もさまざまな講師をお招きして、学力・学習だけでなく体力面などでも連携を図っていきたいと考えています。

■義務教育学校の開校
義務教育学校は、小学校6年間と中学校3年間を合わせた9年間の教育課程の下、一貫した教育を実施するための学校です。中学校進学に伴う不安の緩和や、小学校で定着が十分でなかった学習を中学校で補うなど子どもに寄り添った指導ができるといったメリットがあり、全国的に増加傾向にあります。
令和6年4月1日現在、北海道には29校の義務教育学校があり、市でも令和4年4月に大空学園義務教育学校(以下、大空学園)を開校しました。

▽大空学園の特色
・他学年との日常的な触れ合いや行事などを通して、思いやりや優しさを育む
・教科担任制や、国際理解教育と英語教育の充実
・図書室やパソコン室などを集約したアクティブラーニングスペースを配置
・生徒のアイデアを多く取り入れたデザインの校舎

■不登校への支援
市では、不登校の子どもを対象に「帯広市教育支援センターひろびろ(以下、ひろびろ)」と「ひろびろチョイス」を設置し、一人一人の状況に合わせた支援や学びで生徒の自立を支援しています。
このほか、帯広第四中学校の「よんちゅうチョイス」など、独自の校内教育支援センターがある学校もあります。

▽「ひろびろ」と「ひろびろチョイス」
平日の午前と午後に、興味関心のある学びを自分で選んで行います。ひろびろは実際に通所、ひろびろチョイスは自宅のパソコンからオンラインで参加します。
詳細は、市ホームページを確認してください。

◆よんちゅうチョイス
帯広第四中学校に在席している不登校生徒を対象に実施。ひろびろやひろびろチョイス同様、一人一人のやりたい学びを選んで学習し、分からないことがあれば担当の先生に聞くこともできます。
個別相談や送迎(徒歩)など、さまざまな希望にも対応しています。

▽帯広第四中学校 西岡先生
保護者の皆さんの協力もいただきながら、その子その子にやってあげられることを何とかしてあげたいという思いで、日々生徒たちと向き合っています。
よんちゅうチョイスを経て、教室登校できるようになった生徒もおり、本当にうれしかったです。
今後も生徒一人ずつに寄り添って、少しでも不安を解消し、子どもたちが手立てや見通しを持って頑張っていけるようにサポートしていきます。

■こんなところも変化しています
▽制服のジェンダーレス化
性の多様性に配慮し、市内でも男女同じブレザーや、スラックスかスカートを選べる学校が増えてきています。

▽連絡事項は一斉メール
個人情報保護の観点などから、連絡網を廃止している学校が多く、帯広市でも「帯広市子供安全ネットワーク(楽(らく)メ)」による一斉メールを活用しています。

▽呼び方の変化
性差別を生まないため、男子の名前を呼ぶ際に「〇〇くん」ではなく、男女ともに「〇〇さん」と呼ぶよう指導している学校が増えてきています。

▽カラフルなランドセル
赤と黒以外に、緑や黄色などさまざまな色のほか、金色やレインボーのランドセルもあります。

▽帯広第四中学校 校長卯月先生
時代によって子どもたちの特徴はまったく異なります。
例えば、ここ数年暴力行為や喫煙などの問題行動は少なくなりましたが、SNSでのトラブルは急増しています。悪口も「言われた」から「(SNSに)書かれた」に変化しました。
引き続き、学校・保護者・関係機関が一丸となって、それぞれの時代に合わせた教育やサポート、生徒指導を実施していきます。

問合せ:
ICTの活用・不登校への支援…学校教育指導課(市庁舎8階)【電話】65・4205
コミュニティ・スクール…学校地域連携課(市庁舎8階)【電話】65・4162
義務教育学校の開校…企画総務課(市庁舎8階)【電話】65・4201

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