◆突然ですが「問題」です
ある商業施設で火災が発生した。買い物に来ていた男性と彼の娘が建物の中にいたが、男性は自力で逃げ出すことができた。しかし、彼の娘は中に取り残されたまま。救助に駆け付けた消防士が建物の中に取り残された彼の娘を見て「なぜここに私の娘が!」と悲鳴をあげた。
「消防士」と「彼の娘」の関係は?
◆アンコンシャスバイアス
答えはわかりましたか。この問題の答えは、「消防士は女性で、娘の母親だった」です。
すぐに理解できた人、意味が分からず読み直した人、いろいろな家庭事情を考えた人など、さまざまだと思います。
消防士が男性であると思い込んでしまうと、複雑な問題に感じますよね。それがアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)です。
アンコンシャスバイアスとは、何かを見たり、聞いたりしたときに、無意識に「こうだ」と思い込むことです。
「親が単身赴任中」と聞くと父親だと思うこと、「介護をしている」と聞くと親を介護していると思うこと、「自分には無理」と思うこと、性別によって向き・不向きがあると思うことなど、これらは、思ったことと実際のことが違う場合があり、アンコンシャスバイアスになる可能性がある例です。
実際のこととは違うアンコンシャスバイアスを抱えてしまうと、相手や自分に対して悪い影響を与える場合があります。
例えば、相手に自分の考えを押し付けてしまうことで人権侵害やハラスメントになったり、自分の思い込みで自分自身の可能性を狭めたりなど、状況によって無数の影響が考えられます。
では、悪影響を与えるアンコンシャスバイアスはどうしたらよいのでしょう。アンコンシャスバイアスは、過去の経験や見聞きしたことに影響を受けて形成されています。
一方で、アンコンシャスバイアスは、新たな経験や見聞きをすることによって「上書き」されることがあります。例えば、「どうせ無理」と思っていたけれど、やってみたらできたといったことなど、自分のアンコンシャスバイアスを上書きすることで年齢や職業、性別などにとらわれることなく、一人一人の違いを尊重することができるようになります。大切なことは、自分自身のアンコンシャスバイアスに気付こうとすることです。
知らず知らずのうちに「決め付け」や「押し付け」をしていませんか。「私は大丈夫」と思い込まずに、さまざまな人たちと触れ合って新しい価値観に歩み寄ってみましょう。
問合先:役場企画課企画調整係
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