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自治体の皆さまへ

〈シリーズNO.58〉子育てコラム

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千葉県山武市

■健やかに育つための心身ともに安心・安全な環境とは…
山武市立日向小学校 校長 土屋明子

〈学校における安心・安全のための2つの約束〉
本校は、学校教育目標に「豊かな心を持ち、自ら学び考え、たくましく生き抜く児童の育成」を掲げ、「夢中を楽しむ学校」を目指しています。「夢中を楽しむため」には、心身ともに安心・安全な環境が必要です。そのために、子供たちと次の2つの約束をしました。

1つ目は「自分の人権も、友達の人権も、先生の人権も守ること」です。自分の気持ちや考えを言う権利があっても、友達や先生を傷つけるような言動は許されません。温かく広い心で受け止め、相手のよさを知ったり、相手の頑張りを認めたりして、相手を敬うことが大切です。

2つ目は「自分の命も、友達の命も、先生の命も守ること」です。自分の命も友達の命も先生の命も世界で1つしかありません。しかし、1つの命には、お父さん・お母さん・おじいちゃん・おばあちゃん・ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃん…たくさんの命がつながっています。家族みんなが大事にしている命です。ですから、命は誰にも傷つけられることがあってはなりません。
この2つの約束が前提となり、健やかに育ち、夢中になって学び、それを楽しむことができるのです。
そこで、子供たちに質問したのですが、相手の人権や命を守っている姿が一番初めに表れる姿はどのような姿でしょうか?それは「挨拶」と「返事」です。相手の存在を尊重し、大切にしているからこそ、「おはようございます」や「ありがとうございます」という言葉を発することができます。また、「はい」という返事をすることで、自分の存在も相手の存在も大切にしていることに繋がります。
大人が人権と命の大切さを意識し、小さい頃から子供たちに「挨拶」と「返事」ができるようにしていくと、社会に出た時に誰からも愛される人になることでしょう。

〈ご家庭における安心・安全のための愛情確認〉
子供たちは自分の安心・安全を確認するために、自分が愛されているか、自分の存在が大切にされているかということを無意識のうちにおうちの人に確かめてくることがあります。
例えば、学校や園でトラブルがあった時、自分がされたことを主張することがあります。その際、おうちの人から「大変だったね、辛かったね」という思いを共感してもらうことで、自分には味方がいる、わかってもらえたという思いをもって頑張ることができます。
ただ、おうちの方にとっては、ご自分のお子さんがつらい思いをしていると思うと、心が痛み、冷静な気持ちでいられなくなることがあるかと思います。しかしながら、トラブルには、文脈があります。子供は自分の方を見て欲しいが故、自分にとって都合の良いように報告することがあります。無意識のうちにおうちの人の愛情を確かめているのです。その時には、お子さんが自分なりに切り取って伝えた情報だけでなく、前後の成り行きについても優しく問い返してください。お子さんが冷静に自分の行動を振り返るきっかけを作っていただけたらと思います。
時々、おうちの人がヒートアップして詰問するとお子さんは、自分を擁護するために、話が変わってしまうことがあります。決して嘘をついているつもりはないのですが、話しているうちに嘘になってしまうこともあります。
お子さんの話は冷静に落ち着いて聞いていただき、その思いに共感してください。大好きなおうちの方に理解してもらえたことで愛情を確認し、お子さんの体にはたくさんのパワーがみなぎってきます。そして、そのパワーで次の一歩を踏み出すことができる子になるでしょう。

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