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自治体の皆さまへ

認知症を知ろう(1)

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埼玉県坂戸市

■当事者と家族にインタビュー
認知症とは、何らかの原因による脳の障害のために、記憶力や判断力などの認知機能が低下して、日常生活に支障をきたす状態のことを指します。認知症と診断された後も、住み慣れた場所で生活している方とそのご家族にインタビューしました。

◎東條茂治(とうじょうしげはる)さん
2015年 レビー小体型認知症※と診断される。
自身の体験を自治会の会報で発信。
現在は、趣味の絵手紙を楽しんでいる。
※レビー小体型認知症は、実際にはいない小動物や子どもなどが見える幻視や、小刻み歩行等のパーキンソン症状などが現れることがある認知症。初期では、もの忘れなどの認知機能障害は目立たない。

◆当事者の目線で語る認知症
◇認知症と診断される前後の心境の変化は
認知症の診断を受ける1年くらい前から忘れ物が多かったり、転びやすかったり、認知症かもしれないと感じていました。医師からレビー小体型認知症と診断されたときは、覚悟はしていましたが、それでもかなりショックでした。

◇病院受診の抵抗感は
妻が介護の仕事をしていることもあり、普段から認知症や福祉について話していたため、受診に対して特別受診拒否のような気持ちはなかったです。物忘れや転びやすいことについて、何か解決策が見つかるかもと思い、病院を受診しました。

◇住み慣れた場所で安心して生活を送るために必要だと思うことは
「あの人は認知症」と特別扱いしないで、一人の人として接してほしいです。気を使いすぎないでほしいです。

◇自治会の会報で実体験を発信しようと考えた理由は
生きていくうえで何ができるかと考えたときに、認知症ではない人に認知症について知ってもらいたいと考えました。さらに、「認知症になったことは貴重な経験をしている。」と考えたことから、自分のことを発信しようと決意しました。発信したことで、似たような境遇の方から声をかけてもらえるようになりました。

◇目標ややりたいことは
認知症になり、通っているデイケア施設の職員から勧められて絵手紙を始めました。デイケア施設が作成しているカレンダーに自分が描いた絵が掲載されています。毎年楽しみに待っていてくれる知り合いもいるので、今後も継続したいです。

◆家族の目線で語る認知症 東條茂治さんの妻の話
認知症当事者を支えるご家族にお話を聞きました。

◇認知症に気づいたきっかけは
老人会の会議等を忘れることが多くなってきて、少しずつ異変を感じたことです。

◇どのような声かけをして受診を促しましたか
夫は受診に対して否定的ではなかったので、何もなければいいねという気持ちで受診してもらいました。

◇診断された際、どのような心境でしたか
レビー小体型認知症と診断されたときは、今後どのような症状が出るのかを知っていたので不安に思いました。しかし、実際に夫を見て、症状は個人個人で違うと感じました。

◇日頃気を付けていることは
認知症に対して気を付けているというより、認知症が悪化するリスクが高くなると言われている歯周病や糖尿病にならないよう気にかけています。

◇自治会会報で実体験を発信したことはどう思いましたか
最初は、夫が発信していることさえ知りませんでした。認知症であることを発信したことで、周りの人が夫を気にかけてくれていると、日々の生活で感じています。

◇「こんな仕組みやサービスがあったらいいな」と思うことは
病院によっては院内の車いすが1台しかないことがあり、使用できないことがあります。自分の車いすを車に積み込むのはスペース的にも難しいため、車いすが増えればいいなと思います。

◇悩んでいる方へメッセージ
一人で抱え込まず、専門家に相談することが大切だと思います。

認知症は早い段階で発見し、適切な診断・治療を開始することが大切です。認知症かもしれないと感じたときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域包括支援センター、認知症ケア相談室等にご相談ください。

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