[城東区×SDGs]
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
12.つくる責任つかう責任
■ヤナセ製油株式会社
これからの社会に不可欠なSDGsの取組み。城東区内にある企業を訪問し、お話を伺っていきます。
今回は、城東区関目に本社を構えるヤナセ製油株式会社を訪問し、取締役の柳瀬慶明(やなせみちあき)様と技術部係長の手塚仁司(てづかひとし)様と対談させていただきました。
ヤナセ製油株式会社は、昭和10(1935)年に創業者の柳瀬卯太郎(やなせうたろう)氏が個人経営の石油製品の販売会社としてはじめられ、来年に創業90年を迎えられる歴史のある企業です。柳瀬卯太郎氏は、戦後、人々の移動手段が二輪車や四輪車などに変わっていく中で「潤滑油」に将来性を見出し、日本ではじめて自動車エンジンオイルを製造、大手自動車メーカーに納品されたそうです。また、農業や繊維業で使用されている機械等の潤滑油の製造も手掛けられ、現在取り扱われている潤滑油は500種類におよびます。
1970年代頃から環境問題への意識が高まり、平成元(1989)年にはじまったエコマーク制度において生分解性(※)潤滑油についての商品類型・基準が制定されたことや、機械使用時等に潤滑油が自然環境中へ漏出した際の影響を危惧し、これからは環境に配慮した製品が望まれるのではないかという思いの元、国内でも先駆けて、植物油を原料とする生分解性潤滑油の開発・製造に取り組まれました。昨今では、農業、林業団体や公共工事を含む工事施工業者等からエコマークがついている製品が選ばれるようになるなど、少しずつ着実に環境配慮の意識が浸透していると感じておられるそうです。
今後についてお伺いすると、「潤滑油の製造を続けながら、それによって得た知見を活かして、安心・安全・高品質は勿論のこと、お客様に喜んでもらえる、今後の時代のニーズに合った新たな製品を生み出していけたらと思っています。」とおっしゃっていました。
これからも、誠実にモノづくりをされてきた姿勢を大事にしながら、利用者にも環境にも安心で安全な製品を開発・製造されることを願っています。
※微生物の働きにより、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質
柳瀬取締役「油屋なので『絶対に火事をおこさない』と家訓があり、安全配慮には法令に則り万全を期しています。」
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