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自治体の皆さまへ

「あべの」を守る頼れるボランティア(1)

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大阪府大阪市阿倍野区 クリエイティブ・コモンズ

いつ起こるかわからない大地震。大切な人を守り、自分たちのまち「あべの」を守る、頼れるボランティアの人たちのご紹介です。

◆災害に立ち向かうボランティア 地域防災リーダー
地域防災リーダーとは:
地震・風水害などの災害発生時に、地域の自助・共助によって被害を防止・軽減するため、町会を中心に災害対応を担う自主防災組織の要として、災害時の初期対応にあたるボランティアです。区内では358名(令和6年4月)の地域防災リーダーが、消防署の指導のもと初期消火訓練や救出救護訓練などを行い、災害時に備えています。関心のある方は区役所かお住まいの地域の会館に問合せください。

◆各地域で活動する地域防災リーダー隊長などに集まっていただき、やりがいや苦労などについて話をしていただきました。
◇ボランティアである地域防災リーダーとしての思いや決意
・丸山 田邊(たなべ)さん
町会活動の行きつくところは防災(命を守る)だと思っている。「災害時の地域の死者ゼロ」をめざす中で、個人的にはボランティアというより「使命」くらいの気持ち。

・常盤 松尾(まつお)さん
私の災害の原点は阪神淡路大震災。自分の家族をまず守りたいというのがきっかけ。そこから周りの人を守る共助へとつながっていけばいいという思いで防災リーダーをやっている。

・文の里 奥田(おくだ)さん
リーダー隊長として責任感や他のリーダーのまとめ役としての自覚も生まれ防災士資格を取得。いろいろな知識も得たので少しでも災害時にリーダーシップを発揮できる存在になりたいという思いがある。

・長池 荒木(あらき)さん
自分一人では何もできないので、できるだけリーダー全員で何でも一緒にやっていけるようにしてきた。人に教えるためには自分も勉強しないといけないので、みんなで進めていくことを心がけている。

・王子 福永(ふくなが)さん
昼間に若手は地域にいないことが多い。そういった意味で、若手も女性もベテランもみんな大切な人材。いろいろな人材を活かしていけるのが町会のいいところ。

・阿倍野 出雲(いずも)さん
リーダー隊長歴は8年。道ですれ違った知人が自分のことをリーダー隊長でリーダー隊長とは何だというようなことを子どもに教えていた。防災意識の向上はこういうところが原点だと思う。何度も訓練に参加し、ボロボロになっている防災リーダーの制服は自分の誇りでもある。

・金塚 三雲(みくも)さん
金塚はマンションしかないという特徴のある地域なので、マンションごとの防災意識を上げる必要がある。在宅避難など、実際の災害時の動きでリーダーが先頭に立てるよう防災リーダーの学習会など啓もうに取り組んでいる。

――皆さん、それぞれの意識や考えで防災リーダーとして活動されていますね。皆さんに共通するのは「大切な人を、まちを守りたい」という思いでしょうか。

◇地域防災リーダーの課題や改善していきたいこと
・阿倍野 出雲さん
防災リーダーの課題について、京都大学防災研究チームと一緒に勉強会を通じていろいろな角度から地域で検討、共有している。自分たちが気づかないことや課題がたくさんある。

・王子 上田(うえた)さん
王子地域もやはり高齢化が問題だと思う。若い人にバトンタッチしてやってほしいと思うがなかなか引き受けてくれないのが現状。しかし、苗代小学校の防災授業など、子どもたちの防災意識が上がるような取組も行われていることは明るい材料かもしれない。

・文の里 奥田さん
防災リーダーの勧誘時、いろいろな事をやらなければいけないという負担感のある言い方ではなく、こんなスキルや技術が身につくというような言いまわしがいいと思う。

・常盤 松尾さん
継続してやってもらうためには、防災リーダーの業務量のようなものをもう少し周知することが必要。

・高松 髙橋(たかはし)さん
高齢化の課題はあるが、リーダーの中には若手もいるので、地域内のリーダーの繋がりづくりが必要。何も知らずにリーダー隊長になったが、逆に、そんな状況でどこまで地域防災の力になれるだろうかと思ってやっており、LINEなどの活用で求心力のある発信を強化して若い人を巻き込んでいきたい。

・阪南 川口(かわぐち)さん
他の地域と同じく高齢化をどうしていくかは課題。阪南は避難所が阪南小学校だけなので、在宅避難や物資の不足などを考えておかないといけないと思っている。

――地域防災リーダーの高齢化と新たな担い手づくりは各地域共通の課題ですね。LINEなどSNSの活用でこの貴重なボランティアの活動を広く区民のみなさまに知ってもらい、担い手の拡充につながるよう、区役所も連携して取り組んでいきます。

◇これからの地域防災リーダーの展望など
・阿倍野 出雲さん
リーダーにはイマジネーションが必要。「地震が来ても大阪は大丈夫」と思っている人もまだいる。災害の時にはどうなっているのか、地震、火災、避難、医療など、災害時のことをイメージできる防災リーダーがいるかどうかが重要。

・丸山 田邊さん
危機感のない人の意識を変えていくのが我々地域防災に関わる者の役目の一つ。一人でも多くまちなか訓練などに来てもらって、「防災防災防災」と頭に植え付けてほしいと思っている。防災情報やうまくいった取組事例などを地域を超えて情報共有できるようになったらいいと思う。

・高松 髙橋さん
当事者意識が高くないと成果が出ない。防災に対して当事者意識を高めていくために、まちなか訓練や防災情報のチラシの配布、地域防災リーダーの制度の拡散など、防災に関することに触れる機会をたくさんつくることで、当事者意識を刺激していきたい。

・文の里 奥田さん
高齢化や担い手不足の課題もあるが、個人的には、防災リーダーや防災を知っている人が増えるような展開がいいと思う。高齢であっても何かの時に指示が出せるようなリーダーがたくさんいることは災害時に役立つと思う。防災リーダーの繋がりづくりを進めていきたい。

・晴明丘 松尾(まつお)さん
大地震が来たら、自分のことだけでも大変だと思うのでそんな時にどこまで人が集まって動けるかというと、最後はやはり人と人との付き合いが力を発揮する。町会加入率は減っているが、助けに行くモチベーションは知っている人を助けたいということ。SNSもいいが、やはり生身の顔を合わせる関係を大切にしていきたい。

・常盤 松尾さん
各地域のリーダー隊長の横のつながりはもちろん、各地域を回って防災座談会をやっている。これまで開催の地域からは好評をいただいており、今後もこういったざっくばらんな場を少しずつでもやっていきたい。

――SNSも活用しつつですが、やはり町会など、日ごろのコミュニティやご近所のつながりを持つことが災害を乗り切る大きな助けになると思います。

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