■あなたの調べものをお手伝いします
図書館でどのように調べればいいのかわからないときは、司書に尋ねてください。
図書館のサービスの1つに、司書が調べもののお手伝いをするレファレンスサービスがあります。調べもののお手伝いとは、「この本は図書館にありますか」といった目的が決まっている質問にお答えするだけではありません。例えば、「父の日のプレゼントのヒントになる本を探しています」といった質問でも大丈夫です。プレゼントは買う予定なのか、作る予定なのか、お父さんの好きなものは何かなど、お話をしながらいっしょに利用者にあった本を探すお手伝いもできます。
レファレンスサービスでは、利用者のニーズを確認しながら話を聞くようにしています。また、情報が偏らないように複数の情報を確認して答えるように気を付けています。
利用者のニーズにあった本を提供でき、「この本良かったよ」と言ってもらったときに1番のやりがいを感じます。
■本の選書から除籍まで 司書の仕事を追う
図書館の本棚はいつもたくさんの本が整理されて並んでいますが、その裏では新刊を購入したり、古い本を書庫へ移動したりと、司書が日々奮闘しています。
▽1 選書
毎週発行される、約1000冊もの新刊が掲載されているカタログの中から、購入する本を選び注文します。毎週100冊前後の本を購入しています。
Q:新刊はどうやって選んでいるの?
さまざまなジャンルの本を選べるように必ず複数人で選びます。図書館で所蔵する必要があるか、利用者の需要が見込めるかなど、多様な視点で判断します。
▽2 登録・配架
納品された本は図書館のデータベースに登録していきます。登録が終わった本は、図書館内にある新着本の棚に並べられます。
Q:本の並べ方に決まりはあるの?
図書館の本はその内容により「日本十進分類法(NDC)」というルールに従って整理され、主に3桁の分類番号が付けられます。分類番号は各桁ごとにテーマが決まっており、本の背表紙にはこの分類番号などの「請求記号」が印刷されたラベルが貼られています。本は請求記号に沿って本棚に並べられているので、同じようなテーマの本が集まるようになっています。
▽3 除架・除籍
図書館の本棚には限りがあるため、古くなった本などは本棚から書庫へ移動させます。利用者が目にする本棚にはありませんが図書館内には存在するため、書庫にある本も借りることができます。
図書館の本としての役目を終えて除籍される本は、「リサイクルブックフェア」で市民の皆さんに譲渡をしたり、学校園や市の施設へ譲渡したりします。
■司書おすすめの本
▽青山美智子 著
『月曜日の抹茶カフェ』(宝島社)
おすすめポイント
1つのカフェからはじまる、人々の出会いや思い、つながりが交錯する心癒される小説です。全12話が収録され、前話に出て来た脇役の人や友達、家族が次の話では主人公になって現れます。短編集のため、気軽に読める作品です。
▽さとうわきこ 著
『いそがしいよる』(福音館書店)
おすすめポイント
「ばばばあちゃんのおはなし」シリーズの中の1冊。やかんに鍋、冷蔵庫や食べ物、テーブルにベッドなど、家の中にあるすべてのものが出てきて…。ページいっぱいに描かれた絵と、ばばばあちゃんのおもしろい行動に大満足する作品です。
▼東大阪にまつわる本
▽石上敏 監修
『東大阪市の100年』(樹林舎)
おすすめポイント
布施市・河内市・枚岡市が合併して誕生した東大阪市の歴史と変遷を写真で紹介。「モノづくりのまち」「ラグビーのまち」「歴史と文化のまち」の一面や、今はもう見られない懐かしい昭和の風景、かけがえのない一瞬を切り取った写真集です。
▽太宰治 著
『パンドラの匣』(新潮社)
おすすめポイント
主人公ひばりのモデルとなった木村庄助さんの結核闘病記を元に構成された作品。舞台は東大阪市にあった「孔舎衙健康道場」。冒頭は太宰治の作品によく見られる死と向き合う陰鬱な空気が漂いますが、死生一如の悟りに達すると物語は一変し、あたらしい男に生まれ変わったひばりの恋物語へ。明るくユーモアに満ちた作品です。
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