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自治体の皆さまへ

市民登場 No.759

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■まちライブラリーを運営するデザイナー
浪本浩一さん

◇なみもとこういち
大阪や東京のデザイン会社で勤務後、34歳でランデザインを創業。昨秋、町楠葉にまちライブラリーとかとかを開設し読み聞かせ会などを行う。京都芸術大学卒業。成安造形大学講師。楠葉野田在住。52歳。

手作りの本棚には絵本や児童書のほかアートやデザインの本が並ぶ。主に平日の昼間に開放されており赤ちゃん連れの母親や子どもたちが訪れる。昨秋、事務所の一角にまちライブラリーと呼ばれる私設図書室「とかとか」を開設した。本業はロゴマークや印刷物、枚方市内の中学校でも使われる数学教科書などに携わるデザイナーだ。活動の幅は広く、北海道や岡山県などの自治体のまちづくりにも関わる。
「デザイナーは見栄えをよくする人と思われがちですが、それはほんの一面です。デザインは本来、先のことを考えてしるしを残すという意味の言葉。関わるプロジェクトが将来の社会にどうつながっていくのかを考えています」。大切にしているのはデザインを通して社会に意味のあるものをつくること。芸術大学では社会課題について取り組むソーシャルデザインの授業を行い、目に見えるものだけが
デザインの対象でないことを伝えている。その一方で、自身も社会人学生として別の芸術大学に通い、デザインと地域の関係を学んだ。またイタリアにある地区の家と呼ばれる市民が運営し多様な活動を行う場所も訪問するなど、新たな学びを続ける中で住み慣れたまちに居場所をつくろうと考えた。
「とかとか」という名前にはいろいろな人の場所との思いが込められている。「顔見知りが増えるとまちに自分の居場所があると実感できます。誰でも気軽に立ち寄れる場所がまちにたくさん増えるといいと思うんです」。開設から1年、イベントを実施する中でフリースクールや子ども支援をしている人たちと出会い、社会的少数派と多数派の人たちの隔たりを埋めるため自分ができることを模索している。「両者の境界をなくしたいんです。この場所がさまざまな人が出会うきっかけになるとうれしいですね」

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