立っているだけで汗が出てくる…体がだるい…日焼けで肌がひりひりする…
毎日のように、私たちは日々襲ってくる猛暑と戦いながら生活をしています。
しかし、人間の体には限界があります。この暑さの中、対策が甘いと熱中症になりかねず、屋内外、年齢などを問わず、どこでも、誰であっても熱中症になる危険性があります。
まだまだ続くであろうこの暑さに負けないよう、今回は熱中症について特集しました。
■熱中症って?
私たち人間の体は、汗をかくなどして体温を調節する機能を持っています。しかし、気温が高いなど、激しい運動などにより体内でたくさんの熱が出ると、産み出される熱と出ていく熱のバランスが崩れて体温が上がり、体に異常が出てきます。このような状態を、熱中症といいます。
熱中症は、屋外だけでなく屋内で何もしていない時でも発症することがある怖い症状。救急搬送されたり、場合によっては死に至ることさえあるのです。
熱中症の症状には、次のようなものがあります。
■数字で見る熱中症
本紙2ページで紹介した楠さんは、屋外での活動中に熱中症になり、救急搬送されてしまったそうですが、熱中症により倒れてしまったり救急搬送されるのは、どのようなシーンが多いのでしょうか。
総務省消防庁が公開している「熱中症による救急搬送人員に関するデータ」をもとに、グラフを用いて確認していきます。
■熱中症による緊急搬送者数が増加
総務省消防庁によると、令和5年5月~9月の期間、県内で熱中症により緊急搬送された人数は931人。令和4年の同時期に比べ、約140人も増加しています。
このうち、緊急搬送された人数が一番多いのは7月でした(362件)が、8~9月も、計423人もの患者が搬送されています。
「発生場所」の内訳を見ると、「住居」が最も多く、全体の43%を占めています。「住居」は「敷地内全ての場所を含む」と定義されているため、屋内・屋外の内訳は分かりませんが、「公衆(屋内)」でも一定数の人が搬送されており、屋内外問わず緊急搬送される人が出ている状況です。
また、年齢区分別の搬送人員を見ると、満65歳以上(以下、高齢者と記す)が最も多く547人(59%)、それ以外の年齢区分が384人(41%)となっています。
○令和5年 年齢区分別救急搬送人数
18歳未満…12%(111人)
満18歳以上満65歳未満…29%(273人)
満65歳以上…59%(547人)
○令和5年 熱中症による救急搬送人数
■年齢問わず用心を!
このように、年齢、場所を問わず、誰であっても熱中症になる危険性があります。そして最近のこの暑さに加え、電気代が高騰している状況であるため、少しでも電気代を節約しようと、我慢してエアコンのスイッチを切っているという人もいるのではないでしょうか。しかし、そのような我慢も熱中症の危険性を高める可能性があります。
また、高齢者は若年者に比べて、体内の水分量が少ないうえに、体内の老廃物を排出する際に多くの尿を必要とし体内の水分が不足しがちです。また、暑さに対する感覚機能が低下していること、暑さに対する体の調節機能が低下していることから、より注意が必要です。
■厳しさを増す暑さ 熱中症対策は?
では、熱中症を予防するため、どのような対策ができるのでしょうか。
○対策「暑さを避ける」
(1)エアコンなどで温度をこまめに調節
(2)外出時には日傘や帽子を着用
(3)吸湿性・速乾性のある、通気性の良い衣服を着用
(4)遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用
(5)天気の良い日は日陰の利用、こまめな休憩
(6)保冷剤、氷、冷たいタオルなどで、体を冷やす
○対策「こまめに水分・塩分を補給する」
室内でも、外出時でも、のどの渇きを感じていなくても、こまめに水分を補給しましょう。また、水分だけでなく、塩分の補給も大切です。水分・塩分をしっかりと取り、こまめに休憩しましょう。
※外出時はクーリングシェルターの場所を確認しておきましょう!
熱中症特別警戒アラートが出た場合など、クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)への避難も重要な熱中症対策となります。クーリングシェルターの場所をあらかじめ確認しておきましょう。
○三股町のクーリングシェルター
町役場1階ロビー、町中央公民館1、2階ロビー、町立文化会館ロビー、町立図書館、健康管理センター1階廊下、町総合福祉センター「元気の杜」ロビー(各施設には受入可能人数・日時の制限があります)
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