◆「認知症」の人のために家族が出来る10ヵ条
(1)見逃すな「あれ、何かおかしい?」は、大事なサイン。
認知症の始まりは、ちょっとしたもの忘れであることが多いもの。単なる老化現象とまぎらわしく、周囲の人にはわかりにくいものです。あれっ、もしかして?と気づくことができるのは、身近な家族だからこそです。
(2)早めに受診を。治る認知症もある。
認知症が疑われたら、まず専門医に受診すること。認知症に似た病気や、早く治療すれば治る認知症もあるのです。また、適切な治療や介護を受けるには、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などをきちんと診断してもらうのは不可欠です。
(3)知は力。認知症の正しい知識を身につけよう。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では、症状の出方や進行、対応が違います。特徴をよく知って、快適に生活できるよう、その後の家族の生活や介護計画づくりに役立てましょう。
(4)介護保険など、サービスを積極的に利用しよう。
介護保険など、サービスを利用するのは当然のこと。家族だけで認知症の人を介護することはできません。サービスは「家族の息抜き」だけでなく、本人がプロの介護を受けたり社会に接する大事な機会です。
(5)サービスの質を見分ける目を持とう。
介護保険サービスは、利用者や家族が選択できるのが利点。質の高いサービスを選択する目が必要です。また、トラブルがあったときは、泣き寝入りせず、冷静に訴える姿勢を持ちましょう。
(6)経験者は知恵の宝庫。いつでも気軽に相談を。
介護経験者が培ってきた知識や経験は、社会資源の一つ。一人で抱え込まずに経験者に相談し、共感し合い、情報を交換することが、大きなささえとなります。
(7)今できることを知り、それを大切に。
知的機能が低下し、進行していくのが多くの認知症です。しかし、すべてが失われたわけではありません。失われた能力の回復を求めるより、残された能力を大切にしましょう。
(8)恥じず、隠さず、ネットワークを広げよう。
認知症の人の実態をオープンにすれば、どこかで理解者、協力者が手をあげてくれるはず。公的な相談機関や私的なつながり、地域社会、インターネットなどのさまざまな情報を上手に使い、介護家族の思いを訴えていきましょう。
(9)自分も大切に、介護以外の時間を持とう。
介護者にも自分の生活や生き甲斐があるはず。「介護で自分の人生を犠牲にされた」と思わないように自分自身の時間を大切にしてください。介護者の気持ちの安定は、認知症の人にも伝わるのです。
(10)往年のその人らしい日々を。
認知症になっても、その人の人生が否定されるわけではありません。やがて来る人生の幕引きも考えながら、その人らしい生活を続けられるよう、家族で話し合いましょう。
出典元:公益社団法人認知症の人と家族の会HP(ホームページ)
◆ひとり歩き(徘徊)が心配な場合の支援
認知症の症状のひとつとして、ひとり歩き(徘徊)があります。ひとり歩きにより、屋内外を歩き回り、その結果、道に迷って行方不明となる場合があります。市では、ひとり歩きが心配な方に向けて以下のような事業を行っています。各事業のお問合せ・お申込みは福祉課まで。
◇徘徊高齢者SOSネットワーク事業
高齢者が行方不明になった場合に、家族からの依頼を受け、市内協力事業所へ行方不明者の情報をメール配信し、早期発見・保護へつなげるネットワークです(*登録無料)。
行方不明になる可能性のある高齢者の方や認知症と診断された方は事前登録をお勧めします。また、業務に支障のない範囲で発見や保護にご協力いただける協力事業所も随時募集しています。
◇おでかけあんしん見守りシール交付事業
対象の方には二次元コードを印字したシールを一人あたり30枚お渡しいたしますので、普段身に付ける衣服やカバン、杖などにあらかじめ貼付しておきます。対象の方が行方不明になったときに、発見した人が二次元コードを読み込むことで、行方不明者の登録している情報を確認することができ、ご家族と連絡を取り合うことも可能となります。
*上記のSOSネットワーク登録者のうち希望者が対象です(*利用無料)。
◇認知症高齢者等おでかけあんしん損害保険加入事業
認知症の方が事故などにより第三者に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負う場合に備え、市がこれを補償する保険に加入します。補償金額は1事故あたり最大1億円です。
*上記のSOSネットワーク登録者の方が対象です(*加入無料)。
問合せ:福祉課
【電話】54-2502
◆お気軽にご相談ください
ご自身やご家族で、「この頃様子がおかしいな」という気づきがある場合は、抱え込まずにお気軽にご相談ください。
◇地域包括支援センター
高齢者に関する総合相談窓口です。高齢者ご本人やご家族の方からの認知症に関する相談も随時お受けしています。
・黒部市地域包括支援センター(市役所福祉課内:三日市1301番地)
【電話】54-5002〔担当地区〕生地・石田・村椿・大布施・三日市
・黒部市東部地域包括支援センター(ふれあい福祉センター内:宇奈月町浦山2111番地)
【電話】65-1165〔担当地区〕田家・前沢・荻生・若栗・東布施・宇奈月・内山・音沢・愛本・下立・浦山
◇専門相談・認知症カフェ
・認知症専門相談「おれんじ」(要予約)
にいかわ認知症疾患医療センターの専門相談員が個別で相談をお受けします。
日時:原則、毎月第4木曜日 14:00~15:00
*3月の開催日はP21をご確認ください。
場所:黒部市役所またはふれあい福祉センター
・認知症カフェ(おれんじカフェ)
認知症の方や家族、地域の人、専門職など誰もが気軽に集い交流できる場です。コーヒーやお茶を飲みながら情報交換ができます。
*市が実施しているおれんじカフェの開催日時等についてはP17をご確認ください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>