■吉備津神社~温羅(うら)伝説と犬養毅(いぬかいつよし)元首相~
今月は日本書紀に登場する吉備津彦を祭神とする吉備津神社と、温羅伝説にゆかりのある犬養毅についてご紹介します。
◆温羅伝説と犬養毅
皆さん温羅伝説をご存知でしょうか。日本書紀にも登場する皇族の一人である吉備津彦が、温羅という鬼神を退治するお話で、一説には吉備津彦が桃太郎、温羅が鬼のモデルとされています。桃太郎のお供としてイヌ・サル・キジが登場するのは有名な話ですが、吉備津彦の家来とされる犬飼部犬飼健命(いぬかいべのいぬかいたけるのみこと)は犬養毅元首相の先祖だとも言われています。吉備津彦を祭神とする吉備津神社には犬養毅の銅像が建立されており、犬養姓が吉備津彦についてきた犬飼部の子孫を象徴しているようにも見えます。
◆吉備津神社
温羅伝説にゆかりのある吉備津神社。桃太郎線「吉備津駅」で下車し、国道180号線を渡ると、南へ一直線に延びる立派な松並木が目に入ります。備中国一宮の吉備津神社の参道です。吉備津神社は本殿、拝殿ともに国宝に指定されており、本殿は京都の八坂神社本殿に次いで全国で2番目の大きさを誇ります。
日本で唯一の「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」という独特の建築様式で、屋根も本殿も伝統に新たな工夫を加え続け、完成していきました。瀬戸内海を通じて常に新しい情報が入り、発展を支える豊かな実りがあった岡山の土地柄を反映していると考えられます。
桃太郎ゆかりの地、吉備津神社で散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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