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安芸高田歴史紀行

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広島県安芸高田市

■シリーズ「博物館コレクション」第28回
安芸高田市歴史民俗博物館 学芸員 古川 恵子

◆高野(こうや)大師堂小絵馬(吉田町高野)
※全て高野大師堂蔵
高野大師堂には、江戸中期の1730年代を中心とする小絵馬が11点残されています。その画題は馬図の他広く知られた説話や物語の一場面を描いたものです。
今回は、歴史民俗博物館で展示中の4点を紹介します。

○繋馬図(つなぎうまず)
28.0×31.0cm
画面の墨書から奉納年は「寅九月十五日」、奉納者が「高野村八兵衛」だと分かります。八兵衛は他の絵馬では可部町となっており、高野村から可部に移った後も絵馬の奉納を続けたと推測できます。

○那須与一図(なすのよいちず)
1737(元文2)年 28.3×45.3cm
源平合戦の屋島の戦いで、那須与一が平家方の船に立てられた扇を射落とし両軍の称賛を得ました。平家一門の栄華と没落を描いた「平家物語」の中の名場面です。左上の墨書は「元文二年巳九月吉日」。

○源為朝力くらべ図(みなもとのためともちからくらべず)
29.3×48.2cm
源為朝は平安時代後期の武将で源頼朝の叔父。絵馬は剛勇で有名だった為朝が鬼退治をしたという物語を題材としたもので、鬼と為朝の力比べを描いています。江戸時代には天然痘除けの祈願としてもこの図の絵馬が奉納されていました。右の墨書は「未九月十四日 可部町八兵衛」。

○騎馬武者図(きばむしゃず)
29.6×31.1cm
裏面に墨書で「よしつね」と記されているため、題材は源義経かもしれませんが、広く知られた名場面ではないので騎馬武者図としました。同大師堂の小絵馬には、ほぼ同じ図があります。

※詳しくは本紙をご確認ください。

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