■カメの進化とウミガメへの道
カメは進化の過程で甲羅を獲得した爬虫類です。しかし、この事を突き詰めてみるとカメは実に興味深く、謎の多い存在なのです。これまでのカレッタでは、エントランスから入った最初のフロアで、壁面に生物進化の歴史をデザイン化したレリーフと代表的な古代の生物を解説したパネル、フロア中央に太古の巨大なリクガメの甲羅模型、床にアーケロンという恐竜時代の大きなウミガメのシルエットを描いてカメの進化を解説していました。その他に、淡水性、陸性のカメや甲羅に特徴のある生きたカメを展示、加えてカメの進化についての最新情報を学芸員の手作り展示物で紹介していました。ただ、来館された皆様の注目は生きたカメ達に向いて、進化の展示物は見逃されがちに感じていました。そこでリニューアルでは、カメの進化に関する展示を一新します。最も目を引くのは、カメが進化してきた道筋を木の枝分かれの様に表現する「系統樹(けいとうじゅ)」にして床面から壁面を一体的に使って描きフロア空間全体でカメの進化を解説します。「系統樹」の中には、化石研究から発見されたカメの復元図と解説文を配置しています。また、カメが甲羅を獲得した過程、多の種類が生まれ世界中に分布してゆく過程、その中からウミガメのグループが進化してゆく過程について、最新の研究成果に基づいて解説する展示となります。生きたカメの展示もそのカメ達が進化してきた道筋に合わせた配置となり、非常に見ごたえのある空間になります。
館長:平手康市
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〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦369
うみがめ博物館カレッタ「質問係」
▽Question
ウミガメは冬眠しますか?
▽Answer
ウミガメは居心地の良い水温を求めて泳いで移動することが出来るので冬眠する必要がありません。しかし、地中海やカリフォルニア湾の奥など、居心地の良い海域への移動が困難な場所では冬眠に近い状態になるウミガメが居る事が知られています。
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