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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■スイカの栽培ポイント
スイカは、水分を多く含むウリ科の野菜で、赤い果肉には抗酸化物質のカロテンが豊富で、暑さで疲れた体を癒してくれる効果があります。スイカ名人と呼ばれる人がいるように上手にスイカを作るには少しコツがいります。今回は、家庭菜園でのスイカ作りのポイントを解説します。

◇1 植え付け
ウリ科のスイカは、高温には強く、低温には弱い植物です(生育適温25℃、13℃以下で生育が停滞)。苗で植付けますが、果肉が少し硬めですが病気に強い「接ぎ木苗」が栽培しやすいです。露地栽培では5月上旬以降に植え付け、早植えする場合は夜間の気温が低いため定植苗に保温キャップを被せて活着を促します。黒ポリマルチをして植え付けると株周りの雑草除けになります。

◇2 施肥・つるの仕立て
植付け前の施肥は控えめに、基肥をやり過ぎると「つるぼけ」をおこし、茎葉が茂り、雌花が咲いても実が付きません。基肥の量に注意し、ゆっくり効く有機質の肥料を使うとよいでしょう。定植後、本葉5~6枚時に親づるを摘芯(先端を切る)、4本の子づるを地面に這わせ、敷草や敷ワラを行いましょう。大玉スイカでは1株に2~3果が標準ですが、家庭菜園では何個も成らせること多く、味のばらつきや肥大不足の原因になります。脇芽(孫づる)は着果節(果実)までは全て除け、着果節以上は放任します(図1)。

◇3 交配・着果
スイカは雌花と雄花が異なり、雌花の1番果は7節から8節に付きはじめ、7節~8節ごとに雌花が咲きます。1番果は玉の肥大が悪く扁平になりやすく3番果が最も肥大や果形が良い実となります。自然交配もしますが、雌花に花粉が付かないと結実しないので、実を付けたい2番~3番花は人工授粉をお薦めします。人工授粉は必ず午前中に行い、当日開花した雌花の柱頭に雄花の雄しべを軽くこすりつけます(図2)。

◇4 摘果と追肥
果実が卵大の時期に楕円形のよい果実を1株当たり2~4果に摘果します。実の成らせすぎや肥料不足は株の衰弱(枯死)を早めるので、この頃からツル先に追肥を行い成長と果実肥大を促進させます。ツルの先端が極端に上を向きの場合は追肥を遅らせます。

◇5 収穫適期
大玉スイカは受粉後45~50日、小玉スイカで受粉後35~40日で収穫ができます。巻きひげの枯れ、お尻の黄変、果実の肩が張り、打音などの外観変化で収穫時期を推定しますが不確実です。棒(竹)に受粉日を記録して果実付近に立てれば、玉の位置と収穫期の判断の参考になります。

◇6 その他
梅雨頃から病害虫が出始めるので、定期的な農薬散布が必要です。また、イノシシはスイカが大好物なので侵入防止対策はきちん行いましょう。

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