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【特集】歴史文化資源をみんなでつなぐ―豊川市文化財保存活用地域計画―(1)

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愛知県豊川市

本市では、西古瀬川流域で旧石器時代の石器が出土していることから、少なくとも2万年以上前から人々が生活していたことが分かっています。その後も途切れることなく人々の営みが続いた市域には、数多くの文化財が残されています。
文化財継承の担い手不足などが懸念される中、次世代へ文化財をつないでいくために作成した「豊川市文化財保存活用地域計画」は、今年7月、文化庁に認定されました。この計画には、文化財の保存や活用に関して、「調べる・守る・伝える・活かす」の4つの視点で、計画期間中に取り組む事業を記載しています。今後、市民一人一人が豊川市に誇りと愛着を持ち、手を取り合って文化財を後世へ伝えていくため、市では保存や活用に関する活動に協力し、ともに歩んでいきます。
今回の特集では、文化財の保存や活用について、実際に活動する人のインタビューを交えてお伝えします。詳しいことは、生涯学習課へお問い合わせください。
【電話】0533-88-8035

■豊川市のあゆみ
◇旧石器時代
西古瀬川流域に人が住み始める

◇古墳時代
市内で古墳が造られる

◇奈良時代
三河国分寺・国分尼寺が造営される

◇戦国時代
岩略寺城が築かれる

◇江戸時代
御油のマツ並木が整備される

◇明治ごろ
金沢歌舞伎が始まる

◇昭和
豊川海軍工廠が空襲を受ける

■みんなで調べる
◇豊川海軍工廠語り継ぎボランティア
廣田幸生さん、中村洋子さん、番場義明さん、菅沼由貴子さん
豊川海軍工廠平和公園の園内ガイドや豊川海軍工廠の手記の整理作業などの活動を行う。また、見学に訪れる方にこの地域の戦争に関する資料を紹介している。

映画に使われた双眼鏡をきっかけに、今年は大恩寺山砲台と御津地区に関する戦争の資料の掘り起こしや証言を集め、企画展を開いた皆さん。当時の学校日誌を読んだり、地域の方に話を聞いたりして、約半年の月日をかけてジオラマなどの資料を完成させました。地図や証言をもとに砲台跡地や爆弾が落ちた場所などを訪ねると、これまであまり知られていなかった話を聞くこともあったそうです。
「ボランティア活動の中で得た知識について、実際に自分たちで深く調べたことで身近な事実として認識できた。次の世代へ、平和の尊さや戦争の悲惨さを形として残すことができ、新聞などにも取り上げられたことで、手応えを感じた」と笑顔を見せてくれました。

■みんなで守る
長沢町内会 会長 鈴木昌浩さん
東三河にある城跡の中でも、井戸など昔の姿が多く残される岩略寺城跡。長沢小学校の児童や地元の方とともに草刈りや保全活動を行い、城跡の保存に力を入れている。

5年前に長沢地区に住み始めた鈴木さんは、長沢小学校の児童が岩略寺城跡について調べていることを知り、興味を持ちました。長沢地区にこんなに貴重なものがあるということを地域みんなで共有し、守っていきたいという思いから、町内会で活動を続けています。
岩略寺城跡を守ることが、長沢地区の活性化のきっかけになると考え、散策しやすいように岩略寺城跡へ向かう林道や城内などの草刈り・枝払いを長沢小学校の児童や地元の方とともに行っています。「地元に愛着を持ち、自分たちの町の魅力を自分たちで高めるという考えのもと、保全活動を続けている」と話す鈴木さんたちの活動は、これからも続きます。

■みんなで伝える
金沢歌舞伎 国府高校3年 佐久間千尋さん
江戸時代末期から明治時代の初め頃、金沢町にある神社の祭礼の余興として始まった金沢歌舞伎。戦後に一度途絶えたものの昭和後期に活動が再開され、市内で唯一の農村歌舞伎となった。

小学5年生の時、一宮南部小学校の歌舞伎クラブに入り、歌舞伎の面白さを知った佐久間さん。先に入部した友人が楽しそうにクラブに通い、きれいな着物を着ている姿を見てあこがれていたと話します。現在では毎年秋、金沢歌舞伎の一員として赤坂町の杉森八幡社の舞台で歌舞伎を披露しています。
「昨年演じた花魁の役は、きれいな着物を着て華やかな一方で、せりふ回しや所作が難しく苦労しましたが、先生が優しく教えてくれたおかげで、無事本番を迎えることができた」といいます。今後、受験や就職など大きな人生の節目を迎える佐久間さんですが、これからも仲間と金沢で歌舞伎を続けていきたいと話してくれました。

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