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向田には火祭がある(1)

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石川県七尾市

日本三大火祭りの一つに数えられ、県無形民俗文化財の「能登島向田の火祭」。今年は能登半島地震からの復興祈願をテーマに掲げ通常開催された。
伊夜比咩神社での神事が終わると、神に供える灯火「御神燈の火」を運ぶ神輿(みこし)に火が灯る。神輿を先頭に大小5基の奉燈は、広場まで約500メートルの道を「オイッサー、オイッサー」の掛け声と共に進んだ。道中には若衆の力強い豊年太鼓の演奏と、地元の中学生が祭りまでに練習を重ねた笛や太鼓のお囃子(はやし)が響き渡った。
神輿と5基の奉燈は広場に入場すると、柱松明の周囲を7周練って神様を迎えた。観衆は御神燈の火を移した約200本の手松明(たいまつ)を火が消えないように振り回しながら、柱松明の周りを歩き回り、壮年団長の合図で声を上げながら一斉に柱松明に点火した。
夜空に美しく燃え上がる約30メートルの巨大な柱松明に、地元住民や見物客は地震からの復興を祈った。
柱松明が今年の豊漁を示す海側に倒れ、男衆が柱松明を支えていた大木を来年の祭りに向け力を合わせて炎の中から引き抜くと、周囲からは歓声が上がった。

■向田には火祭がある 祭りの舞台裏
▽祭り成功のカギは「町民の結束力」
地震の影響で開催を巡って町会の間でも意見が割れたが、最終的には開催が決まった。準備には開催を反対した住民も加わり、子どもから大人まで一丸となって取り組んだ。
巨大な火柱が向田町の夜を彩る光景を心待ちにしながら、住民たちは世代別で役割分担して炎天下での作業に励んだ。祭りの準備は約1カ月間かけ、メインとなる柱松明や手松明の準備、奉燈の組み立て、広場の草刈りなどを町全体で協力して行い、一つの祭りを作り上げた。

▽今年若衆デビューしました!濵田幹太さん
今年から柱松明を作る作業などを手伝うことになり、準備の大変さに驚きました。頼りがいのある若衆になれるようがんばります!

▽向田の火祭2024開催までの流れ
5月8日 第1回祭礼委員会…この会議で今年の開催が決定
6月初め のとじま幼保園、能登島小学校の児童による「れんがく」作り
7月初め 中学生のお囃子練習スタート
7月6,7日 奉燈洗い、つなねり…奉燈5基を倉庫から出して洗い、柱松明を支える綱を作る
7月21日 大木上げ…柱松明の芯棒となる大木や柱松明を支える大木を広場へ運ぶ
祭り前日 松明おこし、奉燈組み立て…柱松明を設置し、伊夜比咩神社で奉燈を組み立てる

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