■保存~文化財を未来へ守り、つなぐ
勝山市は、文化財の基礎的な調査研究を進めるとともに、歴史文化への理解を深める活動を推進して、文化財を「守り」、次世代へと「つなぐ」人材を育成します。
◇調査研究・保存
地域の皆さんと協力し文化財を収集・保存するとともに、価値を解明・共有し未来に引き継いでいきます。
昭和10年に国指定を受けた『国史跡白山平泉寺旧境内』。
平成元年から始まった本格的な調査によって、かつての境内の遺跡が残っていることが判明。今年9月から発掘調査が再開します。発掘調査で出土した遺物は、まほろばでご覧いただくことができます!
令和7年は平泉寺白山神社三十三式年祭(御開帳)が行われます!
◇次世代への継承
文化財を知る・体験する機会を通じて、文化財が地域の誇りであることを、子どもたちに伝えます。
勝山左義長は、300年以上の歴史を誇ります。
平成20年には県の民俗文化財に指定されました。歴史ある勝山左義長の文化は、市街地の各町内が中心となって今日まで受け継がれてきました。近年は、左義長に携わる人が、町内の枠を超えひろがっています!
◇防災・防犯
文化財を火災、水害、雪害、地震、盗難などから守るために、ガイドラインなどを遵守し、万全の対策をとります。
木造建築などの文化財は、火災などの災害にあう危険があります。所有者・管理者だけでなく、地域住民の皆さんと連携して、訓練を行うなど、危険を回避し文化財を未来に残します。
新紙幣が今年できたように形は常に変わります。でも、この変化には歴史があり、物語があります。この物語そして今もなお、守り伝えられている文化財は私たちの地域の宝です。私たちはこれらを収集・調査・研究そして未来へとつないでいきます。
学芸員 藤本 康司
■活用~文化財に関わる活動をひろげ、織りなす
勝山市は、文化財に関わる人や活動を地域に「ひろげ」ることで、地域内外の交流を促進します。それぞれの文化財をつなぐことで勝山市ならではの歴史文化ストーリーを産み出します。
◇活用・発信
文化財関連施設などでの展示や活動、体験などの機会を増やすとともに、文化財の価値を積極的に情報発信します。
建物が市指定文化財であり、経済産業省の近代化産業遺産にも認定されている『はたや記念館ゆめおーれ勝山』。勝山の織物業の歴史を今に伝える博物館だけでなく、手織りやまゆ玉クラフト、まゆの糸とり体験など、繊維にまつわる体験ができます。
勝山の歴史や文化財のエッセンスを知りたい方は、「かつやま歴探ブックレット」や「はたやブックレット」を読んでみてください!
学芸員 松村 英之
◇参加促進
文化財を地域共有の財産として、市民や市民団体、民間事業者の皆さんと協力して文化財を活用していきます。
今年、平泉寺と一向一揆の合戦から450年を迎えた村岡山。現在は登山道が整備され、気軽に登山ができる山として人気です。これは昭和46年に地元村岡青年団が登山道を整備し、現在は、まちづくり・むろこの会が維持しているからです。同団体では、地元の子どもたちなどを巻き込んで、文化財を地域の活動に活かしています!
◇総合的・一体的な保存と活用
恐竜の時代から近代まで、豊富な文化財がある勝山の特徴を活かして「歴史文化ストーリー」を活用します。
令和元年に認定された日本遺産「400年の歴史の扉を開ける旅~石から読み解く中世・近世のまちづくり 越前・福井ふくい~」。
石を活かしたまちづくりのストーリーが評価されました!
大切に伝えられてきた文化財に親しんでもらえるように、企画展やイベント・体験などが行われています。自分で見て・ふれて・感じてみることで、新たな発見や驚き、楽しさに出会えることも!ぜひ気軽に足を運んでみてください。
学芸員 織田 悠希
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