足羽川:九頭竜川水系に属する長さ61.7kmの一級河川。池田町の冠山に発し、山間部を北に抜け、福井市の市街地を西へ流れる。大瀬町付近で日野川に合流し、さらに高屋町付近で九頭竜川に合流、坂井市の三国港付近で日本海に注いでいる。
●水辺にカモン!
ミズベリング in 福井実行委員会 松島和彦さん
「ミズベリングをきっかけに、水辺で過ごす気持ち良さや、水辺で遊ぶ楽しさを体感してもらえたらうれしい」と話すのは実行委員会の松島和彦さん。キャンプやカヤックなどのアウトドアアクティビティが大好きで、「知識や装備など、きちんと準備ができていれば、水辺は危ない場所ではない。水上自転車、サップなどの水上アクティビティにもぜひ挑戦してほしい」と笑顔で勧めてくれました。
■足羽川で乾杯!?
7月7日、足羽川の幸橋周辺で「ミズベリング水辺で乾杯in福井」というイベントが開催されました。
「ミズベリング」は、日本の水辺の新しい可能性を創造しようと、全国で行われているプロジェクトです。
「水辺で乾杯」は、その恒例イベントで、例年7月7日午後7時7分に、各地の水辺に各自が飲みたいもの、食べたいものを持参し、皆で同時に乾杯するという企画。たくさんの人に、気軽に水辺に集まって親しみを持ってもらうことを目的としています。
福井での「水辺で乾杯」は、平成27年に初めて開催されて以来、コロナ禍をはさんで、今年で6回目。今年は、能登半島地震、20年の節目となる福井豪雨の被災者への祈りを込め、石川県の犀さい川かわや穴水町と中継をつなぎながら、みんなで乾杯しました。
当日は、午前からダンスや歌のステージイベントが行われたほか、キッチンカーやチャリティーバザーなども多数出店し、多くの市民が足羽川の河川敷に集いました。
▽新しい公共空間としての河川
実は近年、このように、水辺を市民の居場所や活動場所として活用しようとする動きが全国的に広がっています。
かつて川は、人間が農業を営む上での重要な取水源であり、舟運の輸送路として商業を支えるまちの中心であり、生活の中の憩いや学びの場でもありました。
しかし、明治以降、舟運が衰退し、経済性や合理性を追及した河川整備が進められる過程で、人と川の関係は以前よりも疎遠になっていきました。
現在、人口減少が進み、地域コミュニティの活性化が全国共通の課題となっています。まちには、人が自由に集まり、語らい、一緒に活動できるような公共空間が求められています。
そうした新しい公共空間の可能性の一つとして、今、河川を含む水辺という場所が再注目を浴びているのです。
▽足羽川から考えるまち
まちなかを流れる川。皆さんにとって、どんな場所ですか?桜の季節に堤防を訪れる人、朝夕に散歩やランニングで川沿いを利用している人もいるでしょう。
子どものころに危ないから遊んではいけないと言われた、大雨になると増水が気になる、という人もいるかもしれません。
今回の特集のテーマは、福井の中心市街地の真ん中を流れる「足羽川」です。
福井と足羽川の歴史を振り返り、川とまちとの関係を取り戻す新しい取り組みなどを紹介しながら、福井のまちに住む私たちと足羽川のこれからについて考えます。
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