■未来を創るのはこどもたち
ドンドンドドドーン!と大きな音が響き渡る昭和保育園のお遊戯室。給食で使った牛乳パックを再利用して作った太鼓で一生懸命園児たちが演奏の練習をしています。こどもたちに「将来も地球で幸せに暮らし続けるための作戦」としてSDGsの大切さを理解してもらい後世に伝承していく…。
さまざまなことを吸収する保育園時代にSDGsについて学び、取り組むことは重要です。「こどもたちに興味を持ってもらえること」「主体的に取り組めること」を前提に考え、牛乳パックや空き箱の再利用をするだけでなくSDGsの絵本や紙芝居、野菜の収穫、サツマイモ掘り体験などを通して、遊びながら体験し、こどもたちと一緒にSDGsについて考えます。
◇保育園に通う年齢からSDGsの課題を考えて、体験を通じて学ぶことで、こどもたちがこれからの時代に不可欠なSDGsを当事者として理解し、持続可能な社会を築いていく考え方を養うことにつながります。また、幼少期から多様性やジェンダーといった課題を意識することで、物事に対する広い視野や人への接し方などポジティブな影響をもたらすとも考えられます。
◇主役はこどもたち!
SDGs保育の主役はこどもたちです。こどもたちの目線で見て考えるだけでなく、どんなことでも疑問を持ち、こどもたちに投げかけることも大切だと思います。遊びや活動を通じて学ぶことで楽しみながら理解できますし、自分で考え、自分でやってみることで、一方的に教えるよりも吸収する力は何倍にもなると思います。明るい未来を創るために私たちにできるSDGs保育を続けていきます。
「こどもたちの笑顔を未来に!」
(昭和保育園 仲 裕美先生)
■未来のためにみんなで一緒に考えよう!!
こどもの森ではSDGs絵本で「誰ひとり取り残さない」をテーマに全員が仲良く一緒に遊ぶためにどうすれば良いか、誰かが困っている時はどうすればよいか、などをこどもたちに投げかけています。また、空き箱や使用済みの牛乳パックを沢山ストックして、工作の時間にこどもたちがそれぞれ好きなものを創造力豊かに製作していく…。
現役保育士を対象としたアンケート調査でも76.7%が「保育の現場でSDGsに取り組みたい」と回答をしています。また、同調査では「既にSDGsに取り組んでいる保育園」が52.3%と約半数に。多くの保育士・保育園がSDGsへの取り組みに強い関心を抱いていることがうかがえます。
(Q1)保育の現場でSDGs目標に取り組みたいと思いますか?
(Q2)SDGsを保育に取入れたことにより、どのような変化がありましたか?
(Q3)SDGsを保育に取り入れたことによる良い変化について教えてください。(複数回答可)
出典元:子ねくとラボ(運営…(株)明日香)
◇保育士と保護者の連携
SDGs保育を行うためには、こどもに対して一貫性を持った行動・態度で接しなければなりません。特に保育士と保護者はこどもと過ごす時間が長く、思考や性格の形成に大きな影響力を持っています。仮に保育園でSDGsを学び、こどもが「ゴミはごみ箱に捨てなきゃいけないんだ」と覚えても、保護者が道端にポイ捨てしていれば「道に捨ててもいいんだ」と考えてしまう可能性もあります。
保育士と保護者がしっかりとコミュニケーションをとり連携して、こどもが学んだことを正しく実践できる環境をつくっていく必要があります。
◇大切なのは楽しむこと!
小さなころからSDGsについて楽しく学ぶことで、大人になっても自然と日常生活にSDGsを取り組んでいけると思います。こどもたちが“楽しい”と思って取り組みに参加できなければ記憶に定着しにくく、理解しようという発想にも至りません。遊んで“楽しい”はもちろん、考えて“楽しい”プログラムであることが重要だと思います。保護者の皆さん、日常生活にあるSDGsをこどもたちと一緒に楽しみましょう。
「SDGs保育で未来を明るく!」
(こどもの森 榊 結理先生)
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