■大野城心のふるさと館のおすすめ(9)
◇竹田家文書の紹介2
竹田家文書の中に「筑前国(ちくぜんのくに)続風土記(しょくふどき)」があります。
「筑前国続風土記」は、福岡藩の儒学者(じゅがくしゃ)である貝原益軒(かいばらえきけん)とその甥の好古(よしふる)がともに筑前国内14郡(今の福岡県の一部)各地に足を運び、そこで得られた風土や歴史などについての情報をまとめた書物です。
江戸時代の筑前国のことを知る上で貴重な情報が掲載されていますが、その完成までに約20年かかりました。その間、貝原益軒と助手の竹田春庵(たけだしゅんあん)(貞直(さだなお))は何度も手紙をやりとりして文言の修正などを行っています。そのやりとりの手紙も多数残っていますが、春庵が直接修正や書き直しを行った部分があります。
写真はそのことが分かる場所を拡大したものです。文字が重なっているのが分かるかと思います。薄く透けているのが元の文章で、春庵が書き直した文章を記した紙がその上から直接貼り付けられています。ここでは、水城の長さや高さのことについて説明しているのですが、どうやら内容の修正ではなく説明の順番を変えただけのようです。何か意図があったのでしょうか。
「筑前国続風土記」完成までの過程を知る上で、こうした春庵による書き直しや修正についての情報はとても重要で、その一つ一つに完成までの苦労が感じられます。
実物を目にする機会はとても少ないと思いますが、県立図書館のホームページでは、デジタルデータとしていつでも見ることができます。
また、心のふるさと館3階ふるさとラボでは、原本と同じサイズで作製した複製を手に取ることができます。今回紹介した場所をぜひ探してみてください。
※写真は本紙をご覧ください。
問い合わせ先:心のふるさと館ミュージアム担当
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