市内の歴史遺産のロマンを追いかけるシリーズ
二十.文武を重んじる秋月藩の気風
黒田長興(ながおき)は、文武に秀でた藩主であると伝えられます。幼少期から父長政(ながまさ)の教育の元、武芸や文芸の才を伸ばしていきます。芸の師には、各界のトップランナーを揃えています。軍法は、祖父官兵衛(かんべえ)や父長政より学び取り、兵法(剣術)は徳川将軍家の指南役である柳生(やぎゅう)宗矩(むねのり)に師事しています。また、文芸面では、茶道を小堀(こぼり)遠州(えんしゅう)や、古心寺を開いた崇福寺の住職である江月(こうげつ)宗玩(そうがん)らから学んでいます。歌道は、京都の烏丸(からすまる)光広(みつひろ)に学び100首に及ぶ連歌も残しています。
教養深く、文武を重んじる長興の姿勢は、後代へと引き継がれ、秋月藩では学を修め、武を錬磨する「文武両道」の藩風が醸成されました。後に学問を好む8代藩主黒田長舒(ながのぶ)によって藩校稽古観(けいこかん)(館)が開かれる土壌となります。
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