◆秋月の民俗芸能と講演会
11月5日、中央公民館で講演会「秋月藩の立藩と黒田長興」を開催しました。講師の秋月博物館佐々木隆良館長は秋月藩成立までのいきさつや、内政・外政について詳しく解説しました。また、当時書かれた昔の字体の文章をすらすらと読み上げ、会場を沸かせていました。参加者は、「東蓮寺藩と兄弟藩である秋月藩のことを知れて、さらに歴史の勉強をしたいと意欲が湧いてきました」と満足したように話しました。講演会終了後は、遠賀川河川敷で、秋月藩に伝わる光月流太鼓と林流抱え大筒の実演がありました。太鼓は古く、江戸時代初期から伝わっており、秋月藩の家臣が編み出した曲打ちが現在まで受け継がれています。大筒は、江戸時代から受け継がれてきたものを使用しています。発砲した瞬間には、身体が飛ばされそうなほどの大きな音と衝撃を放っていました。打ち型には4種類あり、それぞれの型を披露しました。参加者は、「初めてみるものばかりで驚きの連続でした。太鼓の技術は素晴らしいし、大筒の衝撃が今も残っています」と身体に残る技術と衝撃の余韻に浸っていました。※この事業は、令和5年度宝くじの助成金(コミュニティ助成事業)により実施されました。
◆筑豊高校生と巡る直方まち歩き〜城下町散策コース〜
11月10日、(一社)直方市観光物産振興協会主催で開催しました。観光ガイドを行うのは筑豊高校3年生の5人。のおがた観光ガイド泰山木の会の安部博会長の指導のもと、2度のテレビ局を交えたリハーサルを経て、本番に臨みました。当日は雨にも関わらず、大勢の人が参加し、直方駅から西徳寺、雲心寺、多賀神社、双林院等、東蓮寺藩ゆかりの地を練り歩きました。観光ガイドのリーダーを務めた寺上明光さんは「終始緊張していましたが、打合せやリハーサルでのしっかりしたサポートのおかげで、無事参加した方達をご案内できたと思います。感謝しています」とガイド中の心境を語ります。
参加者は、「東蓮寺藩誕生400年記念の年に、まち歩きガイドに参加できて嬉しく思っています。日頃から直方市の文化に触れてきておりますが、こういった地元の歴史を振り返りながら、まちを見てまわるイベントが増えていくと良いなと思います」と感想を述べていました。
◆東蓮寺藩シンポジウム
11月19日、ユメニティのおがたで直方郷土研究会が東蓮寺藩誕生400年シンポジウムを開催しました。会場には約120人が来場し、満席での講演会となりました。今回は2部構成で、1部は福岡市博物館学芸員高山英朗さんが基調講演「福岡藩の歴史における直方(東蓮寺)藩」と題し、基調講演を行いました。参加者は詳しい説明に聞き入っていました。2部では、旧藩士末裔・商家末裔・郷土研究会会員によるシンポジウム「直方(東蓮寺)藩の人と文化を語る」を行い、黒田家家臣が手がけた治水工事や藩士出身の俳人のエピソード等を解説しながら、それぞれの意見を語り合い、理解を深め合っていました。参加者は、「詳しい人たちの話を聴くことができて、自分が知らない歴史をたくさん知ることができて、さらに興味が湧いてきました。自分でも調べてみようと思います」と学びへの意欲がかき立てられていました。
◆魅惑の「織部高取」
11月25日、ユメニティのおがたで、九州桃山茶陶研究会が『魅惑の「織部高取」桃山茶陶の真実京陶工吉兵衛と内ヶ磯窯~渡り陶工が残したもの~』を開催しました。今回は基調講演とシンポジウムの2部構成。1部の基調講演は東京国立博物館名誉館員矢部良明さんが講師として登壇し、桃山茶陶の中での高取焼や内ヶ磯窯が占める位置等について詳細な説明を行いました。2部では、魅惑の「織部高取」をテーマにシンポジウムを開催しました。作品や歴史を振り返る年表を見ながら、パネリストがそれぞれの視点で見解を話していました。
当日、ゲストとして登壇した陶芸家で、愛知県名古屋市の唐九郎陶芸記念館の加藤高宏館長から、同記念館が所蔵する、内ヶ磯窯で作られた黄金の茶碗を期間限定で直方谷尾美術館に貸出されました。この茶碗は、シンポジウムの中でも、話題に取り上げられ、加藤館長は「相当な知識を持った人が作成に携わっていて、作為に満ちた作品です。どうやってこの作品が作られたのか想像するだけでも楽しいです」と日頃から想像をかき立てられる一品と大絶賛。
参加者は「私は陶芸はやったことはないのだけど、一つの作品に歴史や作り手の想いがたくさん詰まっていることを教えて頂きました。貴重な時間でした」と話しました。
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