令和5年度の市の決算が議会で認定されました。
その内容について、ご説明します。
■CHECK(1)まずは基本から
令和5年度も実質収支は黒字となりました
令和5年度一般会計(※1)の決算はグラフ(1)のようになります。歳入総額が約313億1千万円、歳出総額が約302億3千万円、収入から支出を差し引いた収支(形式収支)は約10億8千万円の黒字です。
これから令和6年度に繰り越して行うことになった事業に要する経費を除いた収支(実質収支)では、約9億4千万円の黒字決算です。
ただし、前年度からの繰越金(前年度の黒字)、財政調整基金の積み立て等を計算から除いた収支(実質単年度収支)では、約1億5千万円の赤字となりました。
前年度に引き続き、令和5年度も基金の取り崩しによる財源調整は行っていません。しかし、前年度と比較して、収支はやや悪化しています。
歳入の中身を見ると、地方交付税、国県支出金、市債といった国等に依存するものが約6割を占め、市税等の自主的に確保できる財源の割合は、全体の約4割にとどまっています。
これは、直方市の財政運営が依然として、国の地方財政計画等によって大きく左右される状況にあるといえます。前年度と比較すると、依存財源のうち主なものである地方交付税については、ほぼ横ばいとなっており、自主財源のうち市税については、固定資産税等が増加したことにより、若干の増額となりました。
歳出では、扶助費、維持補修費、補助費等が前年度より減少していますが、人件費、公債費、普通建設事業費、繰出金、物件費、災害復旧費が増加しています。
公債費については、市営住宅の建て替えや、し尿処理場建設等、大型事業のための借入金の償還開始に伴い、今後も増加していくことが見込まれています。
なお、特別会計の決算は表(1)のようになります
※1 市町村等が通常行っている業務にかかる経費と収入のまとまり。
■CHECK(2)気になる貯金(基金)と借金(市債)の残高は
貯金は増加・借金は減少
令和5年度末時点での基金(貯金)と市債(借金)の残高の推移は左図グラフ(2)、グラフ(3)のようになります。
基金残高は約84億8千万円、このうち一般会計分は約73億1千万円、一般会計分の中でも使い道が特定されていない財源の調整に使える基金は約47億円です。
前年度に比べて、市の基金残高は約7億4千万円増加しました。
次に市の借金である市債残高は、一般会計とその他特別会計も含めた総額で約237億1千万円となり、前年度に比べて約3億5千万円の減となっています。
市債残高の内訳は、一般会計で約236億円2千万円(前年度より約3億3千万円の減)、特別会計では、上頓野産業団地造成事業で約9千万円(前年度より約2千万円の減)となっています。
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