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もしものためにいつもから~男女共同参画の視点から防災を考える~

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福岡県筑紫野市

避難所運営ゲーム(HUG)というゲームをご存知ですか?災害発生時における避難所運営を模擬体験できるゲームです。今回はこのHUGを紹介しながら、男女共同参画の視点から防災について考えます。

■HUG(ハグ)とは
HUGとは、災害発生時の避難所運営について考えるために静岡県が開発した模擬体験ゲームです。
年齢、性別、国籍など、さまざまな避難者の情報が書かれたカードを、避難所に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起きるさまざまな出来事にどう対応していくかを参加者同士で考えながら体験していきます。

■HUG(ハグ)の由来(ゆらい)
HUGの名前の由来は、H(HINANJO…避難所)、U(UNEI…運営)、G(GAME…ゲーム)の頭文字をとったものです。HUGには英語で「抱きしめる」という意味があります。「避難者を優しく受け入れる」というイメージと重ね合わせて名付けられました。

■HUG(ハグ)を通(とお)して
HUGは、避難所運営や避難生活にどのような難しさがあるか、自分たちに何ができるかなど、具体的に考えるきっかけとなります。
HUGの中では、さまざまな事情を抱える人が避難してきます。そこで大切なのは多様な立場の人が意見を出し合うことです。さまざまな視点によって、一人では気づけない困難やニーズを見出し、避難所の環境を改善しやすくなります。
この考え方はゲームの中だけの話ではありません。実際に自分の住む地域にどのような人たちがいるか考えてみましょう。普段からいろいろな地域の人と交流しておくことで、いざというときに意見を出し合い、助け合える雰囲気につながります。
皆で話し合って意思決定し、それに取り組んでいくことは、お互いを尊重し、支え合うまちづくりへの第一歩です。

■防災(ぼうさい)における男女共同参画(だんじょきょうどうさんかく)
1月に能登半島地震が発生し、8月には南海トラフ地震臨時情報が発せられるなど、災害に対する備えの意識が高まっています。本市も地震を引き起こす活断層(警固断層)上に位置しており、いつ災害が発生してもおかしくありません。
これまでの被災地においては、意思決定の場に女性の参画が不十分だったことで、設備やプライバシー確保の面で、女性と男性のニーズの違いが課題となりました。それを踏まえ、防災に男女共同参画の視点で取り組む重要性が認識されつつあります。
非常時には、家事、育児、介護などが平常時の固定的な性別役割分担意識そのままに女性へ集中したり、配偶者からの暴力などの問題が増えたりする傾向にあります。そうならないためにも、日ごろからあらゆるところに男女共同参画の視点を持つことが重要です。

■普段(ふだん)からできること
▽家庭では
各自ができることを増やしましょう。普段から家事、育児、介護や力仕事などの役割を固定せず、誰か一人に任せきりにしないようにしましょう。いざというときに皆が揃っているとは限りません。
防災バックの中身は自分で考え準備しましょう。必要なものは一人ひとり違います。また、普段の暮らしの中で非常食を食べてみるなど、実際にやってみることでさまざまな気付きがあります。

▽地域では
地域の活動や運営に関わる人が特定の性別や年齢に偏らないようにしましょう。地域の集まりでは、男性が多くなる傾向にあります。女性や若い世代が参画することで、多様な視点が加わり、柔軟な運営や意見が生まれます。

■ちくしのフォーラムの取(と)り組(く)み
家庭・地域における男女共同参画の推進に取り組んでいる団体、「ちくしのフォーラム」は、出前講座で、HUGを活用し防災における男女共同参画の大切さについて伝えています。
ちくしのフォーラムが使用しているHUGは、より女性や性の多様性などに関する事項を追加し、ジェンダー平等について考える内容のものです。
他にも、寸劇やクイズなどを取り込み、楽しみながら男女共同参画について考える講座を行っています。活動に対する思いを聞きました。
「誰もが安心できる環境を作るには、組織として女性が意見を言える関係性を築いていくことと、そのための女性リーダーが増えていくことが大切です。
HUGや寸劇で楽しんでもらいながら、防災の場面を含め、思いもしなかった男女共同参画について、参加者が気づき、考えるきっかけになればと思います。また、参加者が地域や周囲の人と話し合い、そこからも浸透していってくれるとうれしいです」

問合せ:人権政策・男女共同参画課男女共同参画担当
【電話】918-1311️

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