■今、子どもたちのためにできること
町では「くにみ学園基本構想」の策定に取り組み、議論や説明をしてきましたが、不足していた部分もあったことから、基本構想を基にした整備計画については凍結しました。
しかし、学校生活や学習への不安、時代とともに変化する教育環境の変化など、さまざまな課題があることから、子どもたちのために、今できることをみんなで話し合い、行政、保護者、学校、地域が一体となり新たな検討を進めます。
PTA連絡協議会からの「保護者の声に耳を傾け、議論してほしい」との声も踏まえ、「教育、子育てを考える」取り組みとして、保護者説明会などで意見交換会を行いました。
■小・中学校保護者説明会
7月8日、14日の説明会と一緒に行ったアンケートでは、次のようなさまざまな意見をいただきました。
▽アンケートで寄せられた意見を一部抜粋
・凍結のままで良い。
・今回の説明会については「作りますよ」となった一番最初にすべき説明会だと感じる。もっと保護者の意見を聞いて進めてほしい。
・課題があるのならば、子どもたちのためにどんどん議論をしないといけないのではないか。凍結している場合ではないのでは?
・これまでの計画性や見通しが弱かったと思います。町民や保護者、教職員の声や考えにしっかりと耳を傾けて検討してほしい。今後の国見町のために。
・確かに、時代の流れに沿った教育の在り方を考えるのは大切なことだと思う。
・保幼小中まで一つにまとめられる土地がないのに、無理に一つにまとめるメリットが分からない。
・認定こども園の設置は良いことだと思う。くにみ学園にする必要性を感じない。
・コンパクトな国見町らしい、温かみのある学校を作っていければ良いなと感じている。ガタがきている建物の現状を知れば、もう少し理解を得られると思う。
・学園構想は良いが、小中は一緒にせず、保幼を一緒にしてほしい。
■幼小中保護者との意見交換会
小中学校の保護者説明会で行ったアンケートの意見について、9月8日にPTA連絡協議会との意見交換を行いました。
連P会長:なぜくにみ学園を作ろうと思ったのか。そのきっかけは。
町長:
町職員の時に関わった、学校教育や生涯学習の事業をとおして思ったことが発端です。町長選挙に挑戦したときに、まずは認定こども園を実現したいと公約に掲げました。職員時代の思いが起点となります。
これまでも国見町では、平成26年にコミュニティスクールを立ち上げ、一貫教育を掲げて子どもの教育を進めてきています。
町長に当選した後に、いろいろな方からご意見を伺う機会がありました。我々が子どもの頃と比べて、教育の内容など子どもを取り巻く環境が変わってきています。認定こども園だけではなく、小学校と中学校もあわせて、考えるべきではないのか、との考えに至ったことが根底にあります。
連P会長:人口、生徒数が減少している小さい町に、そのような施設は必要ないとの意見もありますが。
町長:子どもにもっと良い教育環境を、と考えることは決して悪いことではないと思います。人口や生徒数が減ったとしても、国見に暮らす子どもたちにできることは何かを議論することは必要だと思っています。
教育長:子どもの数が減ってくると、クラスの数が減り、先生の確保が難しくなってきます。それにどう対応していくかを考えたものが、くにみ学園の出発点であったと考えています。
連P会長:幼稚園から小学校、中学校と環境が変わることで順応する能力を身に付けられると思うが、一体化することで、その後の高校、大学と進学するときにうまくいかないのでは、と心配する声がありますが。
教育長:町には保育所、幼稚園、小学校、中学校が一つずつなので、子どもたちはずっと同じ学習環境にいることになります。コミュニティスクールでの交流の取り組みなど、人間関係をより豊かにする取り組みを今もこれからも続けていくことが重要ですし、さらに発展させていくことで順応する能力を身に着けてもらいたいと考えています。
町長:くにみ学園を凍結したことについては、意見の集約が足りなかったと思っています。質問にあったように、教育施設を一つにすることで閉塞感が生まれてしまうのではとの不安や疑念は、時間をかけて皆さんとやり取りをしていければ、その不安は解消していけるのではと考えています。
連P会長:以前と比べて子どもにかける予算はどうなっているのか。今後どのように子育てしやすいまちをつくっていくのか。
町長:
予算額で言えば、増えていると思います。見直ししたものもありますが、給食費の完全無償化など、トータルでは保護者の負担軽減につながったものと思います。
また、奨学金の返還を支援する事業、教育支援センターや通級教室の開設、教育・保育に関わるマンパワーを増やしました。
■令和3年度以降の主な教育・子育て施策
・給食費無償化
・すくすくももさぽ祝金
・出産応援給付金:子育て応援給付金
・不妊医療費助成
・放課後塾ハルの開塾
・病後児保育事業の開始
・スクールカウンセラーの拡充
・教育支援センター「ステップ」の開設
・小中学校監視カメラの設置
・特別支援学級、放課後児童クラブ、保育所・幼稚園・預かり保育の充実
・GIGAスクール構想(一人一台のタブレット配置)
・奨学金返還支援補助制度の創設
・通級指導教室「えがお」の開設など
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